知的財産ニュース 特許情報検索サービス「KIPRIS」が12年ぶりに全面的に改編される

2024年1月18日
出所: 韓国特許庁

産業財産権の統合検索機能・レスポンシブウェブデザインの採用などユーザーフレンドリーなサービスを提供

韓国特許庁は17日、特許情報検索サービスであるKIPRIS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを全面的に改編すると発表した。今回の改編は2012年にサービスを大きく改善した以降12年ぶりであり、さまざまな機能が追加される。

昨年KIPRISでの検索件数1億2,000万件、訪問回数は4,100万回に達し

KIPRISは発明のアイデアを検索するか出願する際など、特許に関する情報を無料で検索し閲覧できる特許情報検索サービスである。KIPRISでは特許、商標、意匠など特許庁が保有する29か国の1億3,000万件の産業財産権の情報をはじめ、特許出願や審査状況などさまざまな行政サービスの進行状況を確認できる。

特許情報を活用する重要性が高まっている中、KIPRISの利用件数も毎年増加しつつある。検索件数は3,300万件(2012年)から1億2,000万件(2023年)に上り3.7倍増えた。訪問回数は1,800万回(2012年)から4,100万回(2023年)と2.3倍増加している。

産業財産権の統合検索機能・レスポンシブウェブデザインなどユーザーフレンドリーなサービスを提供

KIPRISは2012年に大規模アップデータを行った以降、一部のサービスを追加してきたが、機能が複雑で利用が難しいとの意見があった。これに対応するため「ユーザーフレンドリーでわかりやすいサービスの具現化」を目指して以下のとおり改編を行う。

①国内外の情報を一括検索できるよう産業財産権の統合検索機能を提供する。現在は、KIPRISで国内外の情報を確認するためには特許・商標・意匠など権利別にそれぞれ検索する必要があったが、改編により一度の検索で国内外の産業財産権に関する全ての情報を迅速に確認できる。

②スマートフォン、タブレット端末などモバイル端末のユーザー数が増えている現状に合わせてレスポンシブウェブデザインを採用する。この技術が採用されれば、アクセスした端末機器の画面サイズがウェブブラウザに応じてサービスを表示できるため、さまざまな端末機器のユーザーの利便性が大幅に向上する。

③最近のデザイントレンドを反映できるようウェブページの画面構成を改善する。最近アップデートされている海外の特許検索サイトのように、ユーザーが検索・結果・詳細情報を一つのウェブページにまとめて確認できるよう改編する。

特許庁は今回の改編を行う上で、国内外の特許情報検索システムを調査・分析し、ユーザーとの懇談会・満足度調査など実施してユーザーが感じる不便さや改善点をヒアリングする。また、KIPRISサポーターズ(キリポーターズ)の参会者を対象にリリース前に試用してもらう(ベータテスト)など、さまざまな形でユーザーからの意見を取りまとめてサービス改編に反映する。新しいサービスは来年1月に公開される。

特許庁の産業財産情報局長は「今回の全面的な改編により、発明者、創作者などが特許情報を容易に検索できるようサポートしていく」とし、「今後も特許庁はユーザーの立場で考えてより使いやすい特許情報検索サービスを提供できるよう取り組んでいく」と述べた。

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