知的財産ニュース 半導体・二次電池などの特許が増え2023年の産業財産権の出願件数が前年比増加

2024年1月10日
出所: 韓国特許庁

2023年の特許出願件数は24.3万件と過去最多

韓国特許庁は9日、2023年特許など産業財産権※の出願に関する統計を分析したところ、産業財産権の出願件数が計55.7万件に達し、2022年に比べ増加傾向に転じたと発表した。
※産業財産権:特許権、実用新案権、商標権および意匠権

権利別にみると、特許は前年比2.4%増え24.3万件、商標は前年比1.5%減って25.5万件、意匠は前年比2.3%減って5.5万件が出願された。

特許出願件数の増加を受けて全体の産業財産権の出願件数は2022年に比べて小幅増加(▲0.03)※※した。
※※産業財産権の出願件数:(2022年)55.6万件(▼6.1)→(2023年)55.7万件(▲0.03)

半導体・二次電池など先端・コア産業の分野を中心に2023年の特許出願2.4%増加

韓国国内の2023年特許出願は、世界的なインフレーションによる金利高の中でも前年比2.4%増え24.3万件と過去最多となった。

類型別の出願人をみると、中小企業(65,380件、▲3.8)、大企業(48,391件、▲7.6)、大学・公共研究機関(31,441件、▲9.2)の件数が増えた一方、外国人(52,145件、▼3.2)、国内個人(33,522件、▼4.0)の件数は減った。

技術分野別※でみると、半導体(▲12.3)、二次電池を含む電気機械/エネルギー(▲11.4)、デジタル通信(▲10.3)など、先端・コア産業分野を中心に増え、コロナ禍で浮上した非対面(デジタル化)関連技術の電子商取引(▼6.0)とオーディオ映像技術(▼6.6)などの分野の件数は減少した。
※特許出願後から技術分類まで約3か月がかかるため、2023年7-9月期の累計を分析

韓国国内の個人や企業によるコア産業分野での特許出願件数の増加は、激しさを増している世界の技術覇権争いの中で、韓国企業が半導体・二次電子など韓国の将来を担う専担産業分野でのサプライチェーンの強靭化に向け戦略的なIP経営を行ってきた結果によるものだと思われる。

商標出願は小幅減少したが個人による出願は5.0%増加…起業の活性化がみられる

韓国国内の2023年商標出願の件数は前年比1.5%減って25.5万件となり、出願人の類型をみると、国内個人(123,005件、▲5.0)の件数は増えた一方、中小企業(77,710件、▼5.0)、外国人(13,873件、▼2.2)、大企業(11,126件、▼12.1)、中堅企業(10,755件、▼7.0)の件数は減った。

商品分類別でみると、広告業(▲4.4)、飲食業(▲3.6)、コーヒー/パン/お菓子(▲5.3)などは増加したが、これは小規模事業者や個人が起業する際に商標を出願したためだとみられる。

2023年意匠出願2.3%減少…中堅企業は17.2%増加

韓国国内の2023年意匠出願の件数は前年比2.3%減って55,335件となり、出願人の類型をみると、大企業(3,712件、▲2.1)、中堅企業(2,726件、▲17.2)、外国人(5,400件、▲4.4)の件数が増えた一方、国内個人(22,566件、▼3.3)、中小企業(19,558件、▼5.9)の件数は減った。

特許庁の産業財産情報局長は「世界的なインフレーションによる金利高の中でも特許を中心に産業財産権の出願件数が増加傾向に転じたことは非常に前向きである」とし、「特許庁は韓国企業による特許出願の迅速な権利化を図るために各企業のニーズに合わせて出願を支援する政策を講じていく」と述べた。

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