知的財産ニュース 職業高校生向け「第13期IPマイスタープログラムの修了・授賞式」を開催

2023年12月7日
出所: 韓国特許庁

産業現場の課題を職業高校の生徒が自らのアイデアで解決する

韓国特許庁と教育部、中小ベンチャー企業部が共同主催し、韓国発明振興会が主管する「第13期知的財産(IP)マイスタープログラムの修了・授賞式」が12月7日木曜日、KWコンベンション(大田市西区所在)にて開催される。
※知的財産(IP)マイスタープログラム:職業高校の生徒による知財権の出願および技術移転などを支援してクリエイティブな課題解決の能力を備える人材として育成する事業(2011年から実施)

「IPマイスタープログラム」は、企業が産業現場で抱えている課題をタスクとして提案すれば、職業高校の生徒らはそのタスクを解決するためにアイデアを共有して特許出願を行ったりプロトタイプを制作したりして技術人材としての能力を身に着けていく。

今年は33社の企業が産業現場のタスクを提案し、計1,029チームの生徒がアイデアを提出した。

このうち98チームが本選に進出し、知財の素養、IP専門家との相談、プロトタイプの制作など知財に関する深化教育を受けた。

2023年5月3日より教育部がIPマイスター事業を公告・参加者を募集し、6月まで韓国発明振興会にてアイデアの受け付けと審査を行う。7月から10月まで韓国発明振興会が本選に選出した98チームを対象に教育相談や技術支援を行い、11月まで参加者が提出した技術に対する審査および特許出願を支援する。全ての活動や審査が終わり、12月7日に教育簿が「IPマイスターの授賞式・修了式」を開催する。

本選に進出した98チームは知財教育を受けた後、弁理士、企業関係者、大学教授などが参加する審査委員会から審査を受け、そのうち50チームのアイデアが受賞作として選ばれた。

第13期IPマイスタープログラムの受賞チーム
賞名 学校名(地域) 受賞者の氏名 アイデア名
副総理兼教育部長官賞 慶北機械工業高校(大邱) ユ・ヒョンビン、ソ・へウォン 自走式ベルトコンベア油回収機
副総理兼教育部長官賞 釜山機械工業高校(釜山) ビョン・ジホ、イ・カンジェ、イ・セユン 防熱突起カバー型橋梁土台
中小ベンチャー企業部長官賞 慶北機械工業高校(大邱) ユン・ジュンホ、ジョン・スンミン モーターコーヒー(MOTOR COFFEE)
中小ベンチャー企業部長官賞 全北機械工業高校(全北) キム・ユミン、イ・ソヌ、ソ・チャニョン チップゼロ(チップ処理装置)
中小ベンチャー企業部長官賞 巨済工業高校(慶南) キム・ジクォン、チャン・ヨンジュン、キム・テヨン 炎の飛散を防ぐ可変式溶接機
特許庁長賞 ミリン女子情報科学高校(ソウル) ジョン・ソニョン、イ・ジス、イ・へウォン ゴミ火器(常に消火器の位置を気付かせる目的の消火器収納型ごみ箱)
特許庁長賞 巨済工業高校(慶南) ヤン・ジュンソ、ファン・ソジュン、クォン・ボムジョン デジタル目地装置(職人でない人でも正確かつ迅速に目地施工が可能)
特許庁長賞 水原ハイテック高校(京畿) ジョン・スルミ、カン・ヒス、ナ・ジャンホ 発電効果を活用したソーラーパネルの冷却装置

このうち20件のアイデアを必要とする企業へ技術を移転し、企業は技術移転料を奨学金として支援する。

イベントでは、授賞式および修了式のほかにも奨学生証書の授与、参加企業へ感謝状の贈呈、優秀なアイデアの発表などが行われる。

特許庁長は「IPマイスタープログラムは、職業高校の生徒が知財能力を高めるとともに産業現場での課題を自ら解決する教育カリキュラムである。今後も特許庁は、職業高校の生徒が産業界で求められる課題解決能力、知財を生み出す力を身に着ける技術人材として成長できるよう積極的に支援していく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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