知的財産ニュース 国家新薬開発事業団と共同で「新薬開発に向けたADC特許分析結果の発表会」を開き
2023年11月28日
出所: 韓国特許庁
ADC特許のビッグデータを分析して新薬開発をサポートする
抗体薬物複合体(ADC)は、抗体と薬物をリンカー(Linker)させることで薬物の効果は高め従来の抗がん剤のデメリットや副作用を抑える次世代抗がん剤として注目を浴びている。ADC技術を取り入れた抗がん剤は、血液中を循環し、がん細胞に到達するとがん細胞に入り込み、がんを攻撃する薬物を放出する仕組みである。グローバルアンケート会社のリサーチアンドマーケットによると、世界のADC市場は2022年59億ドルから2026年には130億ドルに成長すると見込まれる。
韓国特許庁は、国家新薬開発事業団と共同で12月14日木曜日、ソウルガーデンホテルにて「新薬開発に向けたADC※特許分析結果の発表会」を開催すると発表した。
※ADC(Antibody Drug Conjugate):特定の標的抗原に結合する抗体(Antibody)に薬物(Payload)をリンカー(Linker)を介して結合(Conjugate)させた抗体薬物複合体である。
発表会は、次世代の抗がん剤として注目されているADCの特許分析により収集したビッグデータから考えられる有望技術とコア特許などを韓国の製薬・バイオ開発企業に提供する趣旨である。
また、ADC特許の分析結果のR&Dについて議論し、得られた情報を韓国の製薬・バイオ業界が活用できるようサポートすることで世界の医薬品市場に新しく貢献できると期待される。
特許庁は、毎年主要産業における国際出願のビッグデータを分析して国内外の技術レベルを診断し、未来の有望技術を分析して企業や政府の研究開発専門機関に提供するなど国家R&Dの効率化を図っている。
特許庁の産業財産政策局長は「特許ビッグデータは未来産業と技術を予測する上で客観的な根拠を示す市場志向型の技術情報としてR&Dの企画段階から判断基準となる」とし、「とりわけ、製薬・バイオ分野は特許紛争への懸念が高く、R&Dの企画段階において特許の分析が非常に重要である」と述べた。
国家新薬開発事業団長は「バイオ分野では転換期が到来しており、従来の治療剤の限界を乗り越えられる新薬のコア技術の確保が欠かせない」とし、「今回の発表会が、韓国国内でも抗がん剤市場のゲームチェンジャーとなるADC新薬が誕生する土台となってほしい」と述べた。
発表会への参加事前登録は、11月28日火曜日から国家新薬開発事業団ウェブサイトの「告知事項」にて受け付けており、現場登録もできる。
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