知的財産ニュース 韓国特許庁、「2023国民安全を守る発明チャレンジ」コンペの受賞作を紹介
2023年11月26日
出所: 韓国特許庁
「出入口の迅速開放装備」、「パッチ型薬物検査キット」など国民の安全を守る発明アイデアが選ばれ
韓国特許庁は関税庁・警察庁・消防庁・海洋警察庁、国会議員室と11月24日金曜日、国会議員会館(ソウル所在)にて「2023国民安全を守る発明チャレンジ」コンペの受賞作の展示会を開催した。
6回目を迎える「国民安全を守る発明チャレンジ」は、災害、事件・事故、日常生活の中で国民の安全を守るために役立つアイデアの開発や活用を促す趣旨である。
今年は従来参加の4庁(特許・警察・消防・海洋警察)に加え関税庁が新しく参加し、国民部門が新設されるなど、参加対象が大幅に拡大された。
一般国民と公務員から計959件のアイデアが応募され、アイデアのイノベーションや現場での活用可能性、ビジネス化の可能性などを審査して計40件※のアイデアが受賞作として選ばれた。
※公務員部門32件(庁別8件)と国民部門8件(庁別2件)を選定
公務員部門:大賞(イ・トクギュ警査)、金賞(チェ・オルバルム主務官、イ・ジュ二警査、キム・ジンヨン消防尉)
国会議長賞(公務員部門の大賞)は、「出入口の迅速開放装備」を発明した南海地方海洋警察庁釜山海洋警察署イ・トクギュ警査が受賞した。出入口の開放装備を改善して出入口の大きさや重さ、開閉方式、通路空間などに関係なく開放の所要時間を短縮した。
行政安全部長官賞(公務員部門の金賞)は、「パッチ型薬物検査キット」を発明した釜山税関チェ・オルバルム主務官が受賞した。薬物粉末が入ったにビニール袋の表面にパッチを付着して薬物粒子が空気中に流出することを防いで安全かつ迅速に薬物検査を行う発明品である。
「科学捜査用のDNA真空抽出器(ForD-Vac)」を発明したソウル警察庁科学捜査課イ・ジュ二警査も金賞を受賞した。犯罪現場で微量のDNAを採取する際に汚染を予防し採取の効率を高める携帯用の便利な発明品である。
「水管を超高速で洗浄・乾燥する自動処理装置」を発明したソウル龍山消防署キム・ジンヨン消防尉も金賞を受賞した。火災現場で使用する水管を自動で迅速に洗浄・乾燥し、二重巻きで水管を整理することでゴールデン・タイムを確保できる。
国民部門:最優秀賞(キム・スンヒョン氏、イ・ジョンホ氏、ソルクァクチーム、コ・ソンヒョン氏)
国民部門では、各庁が抱えている困難を解消できる国民からのさまざまなアイデアが選ばれた。最優秀賞の特許庁長賞は、「薬物種類の検索」を提案したキム・スンヒョン氏、「犯罪行為を事前探知できるAI防犯カメラの開発」を提案したイ・ジョンホ氏、「首のやけどを防止する防火服」を提案したソルクァクチーム、「ベルト式ライフブイ」を提案したコ・ソンヒョン氏が受賞した。
国民の安全を守る関税・警察・消防・海洋警察庁の所属公務員が現場での経験やノウハウが盛り込まれた発明アイデアを知財専門家と一年にかけて工夫、製品化して実際の現場で活用できるよう改善を重ねて出願登録を行った。
特許庁は、行政活動の一環として受賞作の最終権利の確保と民間企業への技術移転を支援し、各庁は、所属公務員と国民から応募を受けたアイデアを実際に国民安全に関わる業務に活用していく。
特許庁次長は「今回のイベントを機に国民の安全を守るために頑張っている方々の日々の努力が伝わってほしい」とし、「国民安全を守る発明チャレンジから集まったアイデアが知財権として活用され、国民の安全と命を守ることにつながるよう積極的に支援していく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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