知的財産ニュース 貿易委員会と「技術保護および公正な貿易秩序の確立に向けた業務協約」を締結
2023年11月17日
出所: 韓国特許庁
特許庁の技術・商標警察による捜査と貿易委員会による不公正貿易行為の調査を連携
韓国特許庁と貿易委員会は11月17日金曜日、特許庁のソウル事務所にて「技術保護および公正な貿易秩序の確立に向けた業務協約」を締結したと発表した。
業務協約は、韓国の国政課題※推進の一環として、技術流出および知財権侵害の加害企業に対する特許庁の技術・商標警察による捜査と、不公正貿易の行為に対する貿易委員会の調査を連携することで迅速に被害企業を救済し公正な技術保護の仕組みを整えるために進められた。
※22-6.知的財産保護体系の確立化
両機関は、刑事罰と行政制裁の連携だけでなく、貿易委員会による不公正貿易行為に対する調査と特許庁による紛争調整制度との連携、不公正貿易行為の調査に関連する審判事件の迅速化、貿易委員会による不公正貿易行為の調査において特許庁からの技術諮問の支援拡大など、両機関の業務能力と権限を相互補完できる範囲まで拡大し協力していくことにした。
特許庁の技術・商標警察の捜査と不公正貿易行為の調査との連携を図り企業の被害を最小化
特許庁は、知財権の侵害および営業秘密流出の調査結果、不公正貿易行為が疑われる場合、貿易委員会に通告し、貿易委員会は被害企業から申請を受けて調査を行い輸出入の中止などの行政制裁を科すことにした。貿易委員会は、調査中の事件に対して特許庁による捜査が必要な場合、特許庁に通告すれば特許庁は被害企業からの申請を受けて捜査に取り掛かることにした。
これまでは、営業秘密や商標の不正使用など知財権の侵害事件に対して特許庁の技術・商標警察が調査中であるにもかかわらず、知財権の侵害物品が輸出入されて被害企業が二次被害を受ける恐れがあったが、今回の業務協約に基づき捜査と輸出入の中止を同時に実施することで被害企業の被害を最小化できると期待される。
貿易委による不公正貿易行為の調査と特許庁による紛争調整制度との連携で紛争解決
貿易委員会による不公正貿易行為の調査事件の中、調整による解決が適切な事件を特許庁の産業財産権紛争調整委員会と連携して調整手続きを行うことで紛争を解決する。
特許庁長は「特許庁が持つ技術の専門性を基に技術流出および知財権の侵害犯罪に対する捜査能力と、貿易委員会による不公正貿易行為に対する行政制裁など法律の専門性を組み合わせれば、加害企業に対する捜査や輸出入の中止など行政制裁を統合的に行うことができ、被害企業をより迅速に救済できると思われる」と述べた。
貿易委員会委員長は「産業において波及効果が大きい二次電池、半導体、バイオなどの先端技術分野で技術流出や知財権の侵害が広がっている中で、今回の貿易委員会と特許庁による協力システムの構築を通じて専門性を一段と強化し、被害企業を手厚く救済する保護システムを整えて企業がより公正な環境で切磋琢磨していくと思われる」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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