知的財産ニュース 韓国特許庁、TM5・ID5の年次会合を開催

2023年9月12日
出所: 韓国特許庁

商標侵害に対する認識向上案、仮想空間上でのデザイン保護など、協力プロジェクトを議論

韓国特許庁は、9月11月(月曜日)から15日(金曜日)まで、仁川で「2023年TM5およびID5(※)の年次会合(※※)」を開催すると発表した。
※TM5(Trade Mark 5)、ID5(Industrial Design 5):商標・デザイン分野における先進5庁(韓国、米国、欧州、日本、中国)の協議体
※※TM5・ID5の年次会合:世界商標出願の6割、デザイン出願の7割以上を占めている先進5庁が、商標・デザイン分野の国際ルール形成および調和、そしてユーザーの便宜性向上に向けて毎年開催している

各庁とWIPOの関係者などが集まった今回の会合では、今年に推進した協力プロジェクトの進捗状況を整理し、来年の推進プロジェクトを採択する予定である。

TM5の年次会合(9月11日~12日)では、「商標侵害に対する認識向上案」、「悪意のある商標出願の防止策」など、16の協力プロジェクトについて議論を行う。また、メタバースのような仮想空間上での商標使用の拡大、国境を超える商標権侵害などの新たな問題が浮上するに伴い、これに先立ち、対応するための商標分野の先進5庁による共同宣言文を発表する予定である。

ID5の年次会合(9月14日)では、「メタバース上でのデザイン保護」と「デザイン図面要件カタログ」を含む12の協力プロジェクトについて議論を行う。特に、「メタバース上でのデザイン保護」プロジェクトは、各国の産業界の意見も反映した上で、年末までに論点整理を行う予定である。

新規プロジェクトとしては、韓国と米国が共同で「ハーグ国際デザイン審査結果の比較」を提案し、女性のデザイン制度への参加活性化に関する努力が反映された先進5庁による共同宣言文についても議論を実施する。

特許庁は、会合が行われる5日間を「商標・デザインウィーク」とし、商標・デザインに関する公開討論会および仁川所在企業との懇談会(9月11日)、TM5およびID5のユーザーセッション(9月13日と9月15日)、商標ビッグデータ学術会議(9月13日)などの付帯イベントも同場所で開催する。

特許庁長は、11日のTM5年次会合に出席し、各庁の代表団を励まし、深みのある議論をお願いする予定である。また、商標・デザインに関する公開討論会および仁川所在企業との懇談会に出席し、学界・産業界による講演と企業の知財関連隘路を聴取する。

特許庁長は、「最近、新技術の登場と市場のグローバル化などに伴う知財権を巡る環境変化に対応するため、共同による努力がますます重要になっている」とし、「商標・デザイン分野の新たなルール形成と出願人の権利保護強化に向けて先進5庁間での協力を進めていく」と述べた。

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