知的財産ニュース 韓国特許庁、ブラジル特許庁とデザイン優先権証明書類のオンライン交換を開始
2023年8月24日
出所: 韓国特許庁
国際協力でブラジル進出企業のデザイン保護を強化する!
ブラジルに進出する韓国企業のデザイン保護が一層強化される見通しである。韓国特許庁は8月24日、今月から韓国出願人がブラジルにデザインを出願する場合、優先権証明書類※のオンライン交換サービス(DAS:Digital Access Service)を提供していると発表した。
※優先権証明書類:第一国に出願したものを根拠に他の国(第二国)に同一の内容を出願する場合、出願日を第一国の出願日として遡及して認められるために第二国の特許庁に提出する書類
優先権証明書類(紙書類)を海外に直接提出しなくても済むことになるため、出願人の利便性が大幅に向上し、現地での権利確保も容易になると期待される。
ブラジル特許庁とデザイン優先権証明書類のオンライン交換を開始
ブラジルは中南米最大の市場として、韓国の対ブラジル輸出は年間約117億ドル(2022年基準)に上る。韓国出願人の海外知的財産権出願第19位(2020年基準)に当たる国でもある。この10年間(2012~2021)韓国出願人の特許約3,700件やデザイン約1,400件が出願されるなど、韓国企業のブラジル内知的財産権保護に対する重要性がますます高まっている。
従来は、ブラジルにデザイン優先権を主張するには、韓国特許庁からデザイン優先権証明書類(紙書類)を発行してもらって国際郵便で送るか、現地代理人を通じてブラジル特許庁に提出しなければならなかった。手間がかかる上に費用が負担になるだけでなく、書類の提出漏れなどのリスクもあった。
これからは、韓国内出願番号通知書に記載されているオンライン交換サービス(DAS)アクセスコード、韓国内出願番号および出願日をブラジル特許庁への願書に記入して提出すれば済むことになる。その後、韓国特許庁が出願人に代わって優先権証明書類をブラジル特許庁にオンラインで送付する。
デザイン優先権証明書類のオンライン交換対象国、23か国に拡大
特許庁は、2018年7月に初めて中国とデザイン優先権証明書類のオンライン交換を実施して以来、現在(2022年8月)まで対象国を23の海外特許庁に拡大してきた。今年7月からはリトアニアとのオンライン交換を開始しており、9月にはイタリアとのオンライン交換を開始する予定である。
特許庁の産業財産情報局長は、「ブラジルとのデザイン優先権証明書類のオンライン交換を通じて、地球の反対側にあるブラジルに進出している韓国企業の権利保護が強化されるものと期待される」とし、「韓国企業が進出している外国との特許関連書類のオンライン交換を拡大するよう、引き続き取り組んでいきたい」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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