知的財産ニュース 弁理士の倫理義務を大幅に強化した「改正弁理士法」、7月4日から施行

2023年7月5日
出所: 韓国特許庁

弁理士の虚偽広告と事件仲介人の行為を刑事処罰する

韓国特許庁は、2023年7月4日より弁理士の倫理義務を強化し、公共性を高める内容の改正弁理士法が施行されると発表した。

弁理士の虚偽・誇大広告の禁止

弁理士が「圧倒的な99%の特許登録成功率」のような虚偽・誇大広告を行うことが禁止される。これに反した場合は「業務停止」または「登録取消」という重い懲戒処分を受けかねず、刑事罰(1年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金)まで科せられることになる。(改正弁理士法第8条の5、第24条第3項)

弁理士業務と関連する仲介人行為の禁止

何人も弁理士業務の受任に対し、紹介・あっせんの代価として金品・供応などを受けるか提供する場合は、最大5年以下の懲役または5千万ウォン以下の罰金の刑事罰に処される。(改正弁理士法第7条の3、第24条第1項第1号)

弁理士の公益活動の義務付け

すべての弁理士は、年間一定時間以上の公益活動に参加することが法的に義務付けられる。これに伴い、費用の負担により特許・商標出願をためらうか、知財権紛争に巻き込まれた中小企業・小規模事業者など向けの国選代理、公益相談サービスなどが一層活性化すると考えられる。また、青少年向け発明教育など知財権教育の現場でも、弁理士の経験と専門性を活用した公益活動が拡大すると期待される。(改正弁理士法第15条の2)

近年技術の融合・複合化が急速に進んでおり、企業の知的財産活動がグローバル化している流れに合わせて、弁理士・特許事務所が業務の専門性・効率性を高められるよう、関連法令を改正した。

合同事務所の開所に関する法的根拠の制定

「2人以上」の弁理士が「合同事務所」の形で連合できる法的根拠が制定された。これに伴い、弁理士が自分の専攻分野のほか、融合・複合技術に対しても柔軟かつ専門的に対応できると期待される。合同事務所を開所しようとする場合、「合同事務所の規約」などを含めて特許庁長に申告する必要がある。(改正弁理士法第6条の2第3項~第5項、改正弁理士法施行令第13条第2項~第3項、改正弁理士法施行規則第11条第2項~第5項)

知財権関連業務のグローバル化に伴う書式の整備

弁理士の活動範囲が外資系企業や海外の特許事務所・法律事務所などに拡大するに伴い、「英文の弁理士登録証」の書式を新設し、事務所の開所申告書式に「英文の事務所名称」欄を追加した。(改正弁理士法施行規則第6条第3項(別紙第7号の2書式)、第11条第1項(別紙第8号の2書式))

特許庁の産業財産政策局長は、「第四次産業革命時代に、知的財産の重要性が一層高まるにつれ、弁理士に専門性だけでなく、高水準の倫理性・公共性が求められている」とし、「改正弁理士法の施行により、国民や企業に信頼性のある質の高い弁理サービスを提供し、弁理士の公益的役割が強化されるきっかけになるだろう」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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