知的財産ニュース 韓国特許庁、海外技術流出の国際共助捜査体系を構築する

2023年5月24日
出所: 韓国特許庁

第1回諮問会議を通じて国際共助捜査の未来方向性を話し合う

韓国特許庁は、海外への技術流出および知的財産権侵害犯罪に対応するための国際共助捜査体系の構築案を模索する諮問会議を開き、戦略策定に本格的に乗り出す。

特許庁は、5月25日木曜日午前10時、特許庁ソウル事務所で学界・法曹界・捜査分野の専門家でつくる国際共助捜査研究諮問委員団を発足させ、第1回諮問会議を通じて国際共助捜査体系の構築に向けた研究の方向性を設定する計画である。

国家情報院によると、2018年から昨年(2022年)までの5年間、韓国の国家コア技術などが海外に流出して発生した被害額は少なくとも25兆ウォンに及ぶ。それにもかかわらず、海外に逃げた犯罪者の所在や海外流出業者の情報を把握する上で限界があり、海外への技術流出および知財権侵害犯罪者の検挙に難航してきた。

これに対応するため、学界・法曹界・捜査分野の専門家で専門家諮問委員団が構成された。第1回諮問会議では、専門家諮問委員団のほか、特許庁技術警察と外部の専門家も参加して知恵をしぼる。諮問会議は3つの発表で行われる。

第一に、警察庁国際刑事警察機構(インターポール)国際共助課のチェ・チャンギュ警部が「オンライン著作権侵害対応(Interpol Stop-Online Piracy, I-SOP)プロジェクト」を中心に著作権侵害に対応するための文化体育観光部・国際刑事警察機構・警察庁間の協力事例を共有する。第二に、法律事務所律村のイ・ウォンジェ弁理士がこれまでの海外技術流出犯罪の国際刑事司法共助事例を発表する。第三に、政策研究役務の総責任を引き受ける檀国大学法学科のチェ・ホジン教授が「海外への技術流出および知財権侵害犯罪に対応するための国際共助捜査体系構築に対する研究の方向性」について発表する。

諮問会議から導き出された研究の方向性に沿って深層研究を行い、米国、中国、東南アジアなど主要国の海外捜査共助システムのモニタリング、海外に滞在している犯罪者の所在を把握するためのネットワークの確立、犯罪収益を回収するための捜査手法の導出など、実効的な国際共助捜査体系を構築するための推進戦略および実行計画を策定する。

専門家諮問委員としては、蔚山警察庁安全保障捜査課長の警視、成均館大学科学捜査科の教授、亜洲大学法学専門大学院の教授、仁荷大学法学専門大学院の教授、法律事務所律村の弁護士、延世大学法務大学院の教授、警察庁サイバー捜査局サイバー捜査企画課の警監、国際刑事警察機構国際サイバー犯罪センターの警監などが参加する。

特許庁の産業財産保護協力局長は、「諮問委員団の発足と政策研究委託業務を通じて、ますます深刻化している海外への技術流出および知財権侵害犯罪に一層徹底して対応できる具体案を設けるきっかけになることを期待する」とし、韓国最高の知財権犯罪専担捜査機関である特許庁や国際刑事警察機構、米国国土安全保障捜査局(HIS)などの国際捜査機関間で有機的な国際共助体系が設けられるよう持続的に取り組んでいく予定だ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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