知的財産ニュース 韓国特許庁、技術流出の防止のためにオーダーメイド型相談を強化する

2023年3月16日
出所: 韓国特許庁

最適な技術保護戦略を提供する「IP-MIX戦略コンサルティング」を新規推進
企業の管理能力に応じたオーダーメイド型営業秘密保護コンサルティングを強化
技術警察・弁護士の「訪問型技術保護現場コンサルティング」を新設・運営

韓国特許庁は、最近グローバル技術競争が激化(※)するに伴って先端技術の保護に困っている中小・中堅企業と大学・公共研究機関のために、営業秘密・技術保護コンサルティング支援を強化すると発表した。
※最近5年間、コア技術などの海外流出による被害額は約22兆ウォン(2022年国家情報院)と推計されており、中小企業の技術流出被害額は2,827億ウォン(2022年中小ベンチャー企業部)規模であることが明らかになった

第一に、今年から技術別特性に合わせて特許・営業秘密などの多様な知的財産を活用し最適な技術保護戦略を提供する「IP-MIX(知的財産混合)戦略コンサルティング」を新規で推進する。適切な技術保護手段を選んだり組み合わせたりするなど、効果的な技術保護戦略がなければ、競合他社がその技術を容易に模倣することができ、法的に被害救済が受けられない状況が発生し得る。
【参考】A社は医療機器の開発・メーカーとして、関連技術のデータおよび実行ソフトウェアの資料などを持ち出した従業員を営業秘密の流出で告訴した。しかし、A社が当該医療機器の技術内容を特許出願して公開した等の理由により裁判所から営業秘密として認められず、技術流出の被害を甘受せざるを得なかった
企業等は、IP-MIX戦略コンサルティングを通じて技術保護専門家の訪問コンサルティングを支援してもらうことで、自社が保有している技術を競合他社や後発企業などが追撃・模倣することを防止できる。

第二に、企業等の営業秘密管理体系の定着に向けて、営業秘密保護コンサルティングを基礎→深化の2段階から基礎→深化→後続の3段階に強化する。韓国知識財産保護院の営業秘密保護センターは、①営業秘密基礎コンサルティングを通じて、申込機関の営業秘密管理現況を診断した後、管理方策を提供(1日)する。また、②営業秘密深化コンサルティングを通じて、専門家が訪問し、オーダーメイド型営業秘密管理体系の構築を支援(3~5日)している。今回新設した③営業秘密後続コンサルティングは、営業秘密深化コンサルティングを支援してもらった機関が、追加で営業秘密管理現況を確認してもらい、補完したい場合に利用できる。

第三に、技術流出・侵害被害が発生した中小企業と大学・公共研究機関の被害救済を強化するために、弁護士による法律諮問も強化する。営業秘密専門弁護士による法律諮問を持続的に提供する一方、特許庁の技術警察と営業秘密保護センターの弁護士が共同で被害を受けた現場を訪問し、被害救済や技術流出・侵害捜査などを総合的に支援する「訪問型技術保護現場コンサルティング」を新しく実施する。

特許庁の産業財産保護協力局長は、「技術は、一度流出すれば取り返しがつかないため、韓国企業が営業秘密・技術保護コンサルティングを通じてコア技術を安全に保護できるよう積極的に支援していきたい」と述べた。

一方、IP-MIX戦略コンサルティングは3月16日木曜日から3月30日木曜日まで、営業秘密深化コンサルティングは3月16日木曜日から3月24日金曜日まで営業秘密保護センターのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからオンラインで申し込める。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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