知的財産ニュース 韓国、3年連続で国際特許出願世界4位!

2023年3月2日
出所: 韓国特許庁

韓国企業の2022年WIPOへのPCT増加率、上位10か国のうち最も高い
上位10社のうちサムスン電子の増加率が最も高い

韓国特許庁は、サムスン電子やLG電子などの韓国企業の2022年世界知的所有権機関(WIPO)への国際特許出願(以下「PCT」(※))が2021年に比べ6.2%増加(22,012件)し、3年連続で世界4位(※※)を獲得したと発表した。特に、韓国の前年度比PCTの増加率は、経済の複合危機による困難にもかかわらず、主要上位10か国(※※※)のうち最も高い(6.2%)ことがわかった。これに対し、米国の2022年PCTは、前年度に比べて0.6%減少し、中国、日本、ドイツは、それぞれ0.6%、0.1%、1.5%の増加にとどまったことがわかった。
※PCT(Patent Cooperation Treaty):1つの出願書をWIPOなどに提出すれば、特許取得を希望する複数の国に特許を出願した効果を付与する
※※韓国のPCT出願順位:4位(2007~2009)→5位(2010~2019)→4位(2020~2022)
※※※中国、米国、日本、韓国、ドイツ、フランス、英国、スイス、スウェーデン、オランダ

PCT件数は、ブルームバーグイノベーション指数(2021年基準韓国世界1位)、WIPO世界イノベーション指数(※)(2022年韓国世界6位、アジア1位)で、各国のイノベーション力を評価する物差しとして活用されている。
※信頼性が高い国際機関(WIPO)や欧州経営大学院(INSEAD)などが主管する国家間イノベーション力評価指数として、2022年には132か国を対象に評価

2022年の世界のPCTは278,100件と、前年比0.3%増加し、中国は70,015件を出願し、4年連続で世界1位に上ったことがわかった。中国のPCTは、2021年比0.6%増加したが、世界2位の米国との格差は、2019年1,694件、2020年10,446件、2021年10,201件、2022年10,959件を記録した。中国企業のHUAWEIは、7,689件を出願し、2017年から6年連続でPCT世界1位を取り、2位のサムスン電子は、上位10社のうち最も高い出願増加率(44.3%)を記録した。PCT上位10社のうち、韓国からはサムスン電子(2位)とLG電子(9位)の2社が含まれ、PCT強国であることが確認された。

一方、2022年世界の国際商標出願(マドリッド出願)(※)件数は約69,000件と、2021年比6.1%減少したが、(2009年以来最大の減少)、韓国企業の出願はむしろ増加したことがわかった。韓国企業の2022年国際商標出願(マドリッド出願)件数は2,021件と世界11位の規模であるが、その増加率が2019年9%、2020年13%、2021年24%、2022年2.1%と、世界の国際商標出願(マドリッド出願)の増加率(※※)に比べて非常に高い方である。フランス企業のL'OREALが2年連続で国際商標(マドリッド出願)を最も多く出願しており、韓国企業の中では現代自動車が2021年比250%増の108件を出願し、5位に上った。
※マドリッド議定書に基づき、1つの出願書を、本国官庁を通じてWIPOに提出すれば、複数の国に商標を出願した効果を付与する
※※世界のマドリッド出願の増加率:5.7%(2019)→-0.6%(2020)→15%(2021)→-6.1%(2022)

特許庁は、海外に進出しているか、進出予定の中小企業などの国際知的財産権の確保を支援している。また、韓国企業などがWIPOの国際出願サービスに対する相談サービスをリアルタイムで提供してもらえるよう、韓国にWIPO地域事務所を誘致する案も引き続き推進中である。

特許庁の産業財産保護協力局長は、「今回の結果は、経済の複合危機にもかかわらず、韓国企業が創造性とイノベーションの産物である知的財産を国際的に保護してもらうため、海外知財権の確保に対する努力を強化していることを証明する事例だ」とし、「韓国企業の輸出増大に有利な国際知的財産環境を作るための努力を一層強化していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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