知的財産ニュース 医薬品実験データおよび人工知能学習データ45万件を無料で開放

2023年2月13日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁の「特許情報活用サービス」で2月13日から利用可能

韓国特許庁は、2月13日月曜日から特許情報活用サービス「KIPRIS Plus」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて特許公報に含まれている医薬品実験データおよび実験データの抽出のための人工知能学習データ計45万件を無料で開放すると発表した。

特許情報活用サービス(KIPRIS Plus)は、特許庁が運営するデータ開放プラットフォームとして、国内外13か国の主要産業財産権(特許・商標・デザイン)の公報や特許行政情報などのデータ商品を提供している。最近は、多言語翻訳や画像検索などに向けた人工知能学習データまで開放し、計115種のデータ商品をファイルまたはオープンAPI(※)の形で開放している。
※Open Application Programming Interface:標準化して構築されたデータをリアルタイムで呼び出し、誰でも簡単に活用できる公開インターフェース

今回開放する医薬品実験データは、医薬品分野の特許公報に含まれている画像(image)形態の表を加工・分析して医薬品の成分名、実験方法、実験値などを基礎資料(データベース)に構築した情報である。人工知能学習データは、①表・グラフ・化学式などさまざまな画像形態の実験データから表形態のみを抽出するための画像分類情報、②表データを正確に把握するための表の構造(行×列)情報および③実験に使用された成分名や実験値などを自動で分類するための実験データ属性分類情報を含んでいる。

このような医薬品実験データおよび人工知能学習データを活用すれば、特許・論文などに含まれている画像形態の「表実験データ」を文字(text)形式の分析可能なデータに変換・抽出できる。これを基に、知的財産サービス業者は特許公報の実験データの抽出・活用サービスを開発し、関連企業および研究機関は特許公報に含まれている実験実施例や比較例などを自由に分析・活用することで、ワクチン・新薬などの研究開発に活用できると期待される。

特許庁の情報顧客支援局長は、「技術情報の宝庫である特許データは、実験データのように有効な情報が多いため、公共や民間で積極的に活用すれば、未来を導いていく先端技術分野で韓国の技術開発力が向上し、世界での競争力は一層強化されるだろう」とし、「特許庁は積極行政の一環として国民のニーズに応えた多様な知的財産データを持続的に開放していく予定だ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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