知的財産ニュース 韓国特許庁と世界知的所有権機関間で協力強化方策の議論予定
2023年2月6日
出所: 韓国特許庁
知的財産の国際秩序を総括する国際機関首脳の訪韓
韓国特許庁は、2月7日火曜日から2月11日土曜日まで世界知的所有権機関(WIPO)のダレン・タン事務総長が公式的に訪韓すると発表した。世界知的所有権機関(WIPO)は、26の知的財産関連国際条約を管轄し、加盟国と共に新しい国際規範を作り、知的財産を通じて持続可能な開発目標(SDGs)を活発に履行している国際連合(UN)の専門機関である。また、知的財産権の国際的保護のために国際特許出願(PCT)、国際商標出願(マドリッド)などのサービスを提供しているが、サムスン電子・LG電子などの韓国企業は国際特許出願(PCT)サービスを世界で4番目に多く利用しているため、世界知的所有権機関(WIPO)内で韓国の存在感(※)は非常に高い。
※2021年基準国際特許出願(PCT)の手数料は、世界知的所有権機関(WIPO)の収入の約77%を占める
クリエイティビティとイノベーションの産物である知的財産は、最近、世界経済危機の中で国益を守り、世界経済を主導するコア成長エンジンとしてその重要性が一層浮き彫りになっている。タン事務総長は、普段韓国を「イノベーションとクリエイティビティの発電所」と言い、アジア諸国の中で最も強力なイノベーション力(※)を有する韓国のイノベーションエコシステムを直接経験することを希望し、韓国を2023年初の海外歴訪国として決めた。
※世界知的所有権機関(WIPO)は、毎年132か国のイノベーション力を評価し、2022年に韓国は世界6位(アジア1位)に上った
タン事務総長は、訪韓中、企業訪問と主要関係者との面談を通じて知的財産を活用した韓国の発展経験とイノベーションエコシステムを体験する一方、デジタルトランスフォーメーションなどにより日増しに激しくなっている先進国と途上国間の知的財産格差の解消案を議論する予定である。まず、国際特許出願(PCT)と国際商標出願(マドリッド)サービスの主要顧客であるLG電子とアモーレパシフィックを訪問し、大韓弁理士会および韓国知識財産協会(KINPA)などの利害関係者から世界知的所有権機関(WIPO)サービス利用顧客のニーズを収集して発展方向を模索する。また、国際知的財産保護コンファレンスとイノベーション中小企業の懇談会に参加して企業の成長に向けた知的財産の役割について意見を共有し、国家知識財産委員会などの知財権関係機関との会議を通じて知的財産金融など、韓国の優秀なイノベーション環境について聴く予定である。さらに、韓国特許庁長との二者会談では、韓国の信託基金を活用した途上国の能力強化案を協議する予定であり、特に30年にわたる韓国の発明教育経験とノウハウを途上国に本格的に広めるための計画について話し合うと知られている。
一方、世界知的所有権機関(WIPO)による活発な途上国支援は、知的財産分野の世界的権威誌である「マネージングIP(Managing IP)」が韓国特許庁長を「知的財産分野で最も影響力のある50人」の1人に選定する主な要因となった。特許庁は、途上国への支援経験を積極的に活用してアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアなどの中東に特許審査を代行し、知的財産戦略の策定と発明教育を支援することにするなど、国際社会に知的財産行政の韓流を普及させるために努めている。
特許庁長は、「複合危機の克服に向けた知的財産の重要性がこれまで以上に重要な時期に、イノベーションの産物である知的財産を総括する国際機関の首脳が韓国を訪問するのは有意義だ」とし、「タン事務総長の訪韓を契機に韓国の輸出増大とイノベーション企業の育成に有利な国際的知的財産環境を作り、知的財産グローバル中枢国家としての役割を一層強化していく計画だ」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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