知的財産ニュース 韓国特許庁、ASEAN8か国の特許庁と庁長会談を開催
2022年11月15日
出所: 韓国特許庁
フィリピン、ブルネイ、マレーシアと深化協力・包括協力のMOUを締結することに合意
韓国特許庁は、第5回韓国・ASEAN特許庁長会議の開催をきっかけに、11月15日火曜日、ブルネイやフィリピン等のASEAN主要8か国の特許庁(※)と庁長会談をソウルで開催すると発表した。特許庁は今回の8か国との庁長会談を通じて、特許審査ハイウェイ(PPH(※※))等の審査協力、知的財産分野の人材育成、知的財産権制度および情報化分野コンサルティング等の分野別に協力の現況をモニタリングし、国別に状況と環境にふさわしい今後の協力案などを具体的に議論する。
※ブルネイ、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム
※※PPH(Patent Prosecution Highway)両国に共通して特許を申請した申請人が一方の国で特許が可能であるという審査結果を受けると、それを根拠にもう一方の国で早く審査を受けられる制度
主な議論事項は以下のとおりである。
(ブルネイ)国家知的財産戦略の策定、知的財産の保護と活用などを内容とする包括協力協定(MOU)を締結し、ブルネイの知的財産庁審査官など、内部職員の能力強化に向けた協力案について議論する。
(フィリピン)知的財産人材の育成や知的財産の事業化などを内容とする深化協力協定(MOU)を締結し、知的財産人材を体系的に育成できる教育システムの構築について協力案を議論する。
(マレーシア)知的財産分野の能力強化、知的財産の保護と活用などを内容とする包括協力協定(MOU)を今後早急に締結することに合意し、中小企業向け支援政策について関連情報を共有する。
(タイ)両国間の知的財産分野での協力の範囲を拡大し、具体化するための実行計画(Action Plan)を年内までに策定することに合意し、特許審査ハイウェイ(PPH)等の審査協力の推進、知的財産の事業化および価値評価、人工知能(AI)基盤の特許およびイメージ検索システム関連の情報交換などを同計画に盛り込む案を協議する。
(カンボジア)両国の国家知的財産戦略に関する情報を共有し、2023年から2025年までカンボジアの知的財産権担当公務員を対象に実施される予定のKOICAグローバル研修事業について議論する。
特許庁長は「これまで韓国特許庁は、ASEAN加盟国と包括協力、特許審査、知的財産の保護および執行など、さまざまな分野で23のMOUを締結し、韓国の2番目の貿易相手国であるASEAN市場で、韓国企業に友好的な経営環境が造成されるように努力してきた」とした上で、「韓国特許庁はこれからもASEAN加盟国との二国間協力活動を通じて韓国の先進知的財産システムを普及させる一方、ASEAN域内諸国の知的財産保護の水準を高められる協力事業を積極的に推進していきたい」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195