知的財産ニュース 車載カメラ・ライダー、自動運転時代の主導権をしっかり握る

2022年9月13日
出所: 韓国特許庁

特許先進5か国(IP5)の出願競争の中で良く戦っている韓国企業
ライダー技術は現代自動車2位及びカメラ技術はサムスン電子5位、LG電子6位

今年7月、欧州連合は、乗客と歩行者の安全に向けて「先進運転支援システム(ADAS)(※)」の搭載を義務付ける新しい「自動車一般安全規定」を施行した。この規定は、新しい自動車に直ちに適用され、2024年7月からは欧州のすべての新車に適用される。これにより、ADAS機能の実現に欠かせない要素であるカメラ、ライダー(LiDAR)などの物体認識関連技術の成長と競争が加速化するものと予想される。
※カメラ、レーダー、ライダーなどの感知装置を通じて走行状況を認識し、運転者に危険状況などを自動的に知らせ、速度調節などの一部の運転機能を自動化した技術
韓国特許庁によると、世界特許分野5大主要国(IP5)(※)の自動運転車用カメラ・ライダーに対する特許出願は、この10年間(2011~2020)で年平均37%増加し、2011年143件から2020年2,395件へと、約17倍増加したことがわかった。
※IP5:世界中の特許出願の85%を占める先進5か国(日・米・EU・韓・中)の特許庁

2013年以前はライダー分野の出願がカメラ分野より多かったが、その後、カメラ分野の出願がライダー 分野を追い越し、2020年にカメラ分野は1,525件、ライダー分野は870件出願された。物体を識別するためにカメラ技術に人工知能が融合され、ステレオカメラによる3次元認識技術が発展するなど、新しい技術の発展と関連するものと分析される。

出願人の国籍別に見ると、カメラ技術分野は日本が33.2%と最も高い割合を占め、中国(21.5%)、韓国(19.4%)、米国(15.7%)、欧州(6.7%)の順と、韓国が2位を記録した。ライダー技術の場合、米国が39.7%を占め、中国(14.3%)、日本(13.7%)、欧州(13.2%)、韓国(12.8%)の順となっている。

技術別の多出願人を見ると、ライダー技術は、伝統的な自動車または部品メーカーが主流となっている反面、カメラ技術は、電子・通信会社の出願が活発である。カメラ技術の場合、ソニーが455件(5.9%)、百度405件(5.3%)、キヤノン325件(4.2%)、パナソニック303件(4.0%)、サムスン電子299件(3.9%)、LG電子276件(3.6%)の順である。特に、韓国のベンチャー企業であるSTRADVISIONが266件(3.5%)と7位を記録し、サムスン電子、LG電子などの大企業だけでなく、スタートアップの進出も目立ち、見通しが明るい。ライダー技術は、WAYMOが271件(5.7%)と最も高い割合を占め、現代自動車248件(5.2%)、GM189件(4.0%)、トヨタ自動車125件(2.6%)、BOSCH120件(2.5%)など、さまざまな国籍の企業が多出願企業群に属している。

特許庁の自動運転審査チーム長は「自動運転のためのカメラとライダーが互いに結合して融合センサー技術に発展している。これからもこの分野で多くの技術進歩が予想されるため、特許庁は迅速かつ正確な審査を通じて関連技術の開発を積極的に後押ししていきたい」と述べた。

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