知的財産ニュース もはや多重接続エッジコンピューティングだ!盛り上がっている5Gネットワーク市場
2022年9月5日
出所: 韓国特許庁
特許先進5か国(IP5)の多出願順位、韓国企業はサムスン電子が2位と頭角を現した
消防士が生体信号感知用モノのインターネット(IoT)センサー付きヘルメットを着用して救助現場に投入される。管理者はスマートフォンアプリで消防士の位置と信号を確認し、非常状況の発生時に素早く対処できるようになる。このようなサービスはリアルタイム性が最も重要で、ネットワークの経路を最適化し、データの遅延を最少化して超高速データサービスを可能にする多重接続エッジコンピューティング技術を通じて成り立つ。韓国特許庁によると、世界特許分野5大主要国(IP5)(※)の多重接続エッジコンピューティング関連特許出願(※※)は、最近5年間(2016~2020)年平均58%ずつ急増し、2016年294件から2020年1,848件へと6倍以上増加した。
※IP5:世界中の特許出願の85%を占める先進5か国(米・EU・中・日・韓)の特許庁
多重接続エッジコンピューティング
情報処理のため遠距離(コア網)に位置する中央コンピューターに代わって基地局または基地局周辺のコンピューティングサーバーがネットワークのエッジに接続されているユーザーおよびすべての物(例:モノのインターネット(IoT)、自動運転など)に超高速のリアルタイムサービスを可能にする技術で、モノのインターネット(IoT)、スマートシティ、スマートファクトリー、自動運転などの超高速、多数同時接続、超低遅延の第5世代移動通信システム(5G)のサービスに使われる。
国別(IP5)の出願比を見ると、中国が出願全体の36.2%を占めて最も多く、次いで米国(32.6%)、EU(12.9%)、韓国(12.2%)、日本(6.0%)の順で、出願人の国籍別には、中国(37.9%)、米国(22.3%)、EU(14.0%)、韓国(13.8%)、日本(9.9%)の順となっている。
多出願順位は、ファーウェイ(548件)、サムスン電子(459件)、ノキア(445件)、インテル(336件)、ベライゾン(213件)の順となっているが、特にサムスン電子が多出願人順位2位に上り、特許権の確保に乗り出している。韓国国内企業の順位は、サムスン電子(327件)、SK(33件)、LG(27件)など、電気通信企業の出願が目立つ。
一方、韓国国内の多出願人の順位を見ると、KUL CLOUDやピアモンドなどの中小・ベンチャー企業も名を連ねており、これからの競争が期待される。
※国内10大多出願人:サムスン電子(327件)、SK(33件)、LG(27件)、電子通信研究院(25件)、慶熙大学(15件)、KT(11件)、KUL CLOUD(10件)、ピアモンド(7件)、KAIST(4件)、NAVER(3件)
特許庁のモノのインターネット審査課長は「第5世代移動通信システム(5G)、ひいては第6世代移動通信システム(6G)などの超高速通信を基盤とするさまざまなサービスの市場を先取りするために、多重接続エッジコンピューティング技術に対する競争は一層激しくなるとみられ、韓国も国内企業や大学、研究所などで先行的な技術開発およびコア特許を確保する必要がある」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195