知的財産ニュース 韓国特許庁、微生物の寄託・分譲手続きの簡素化を推進

2022年6月27日
出所: 韓国特許庁

微生物の発明、特許出願・分譲申請を簡単かつ迅速に

韓国特許庁は6月27日、特許出願および審査過程で国民の不便を解消する規制改革の一環として、微生物の発明に関する特許を出願する際に必要な微生物の寄託・分譲手続きを大幅に簡素化(※)すると発表した。
※特許法施行令第2条、特許法施行規則第23条、別紙第14号・第19号書式の改正

(参考)特許微生物寄託分譲制度

微生物、動・植物の細胞、種子などの技術は、書面だけでは容易に記載しにくいため、微生物などの実物を指定された寄託機関に寄託する必要があり、寄託された微生物は、試験・研究などのために誰でも分譲を受けることができる。

今後、特許庁が指定した4つの寄託機関(※)との情報共有体系を構築して寄託情報をリアルタイムで共有できるようになり、微生物関連特許を出願する時に別途の微生物寄託証のコピーを提出しなくてもよい。これまでは、特許庁と寄託機関の間で寄託情報がリアルタイムで共有されず、微生物関連特許を出願するには、出願人が寄託機関に当該微生物を寄託し、寄託機関に直接行って微生物寄託証を発行してもらい、そのコピーを特許庁に提出しなければならないという不便があった。
※韓国生命工学研究院の生物資源センター、韓国微生物保存センター、韓国細胞株研究財団、農村振興庁の微生物銀行

特許微生物分譲手続きも大幅に簡素化された。特許微生物を試験・研究用に使用しようとする場合、特許庁に分譲資格証明申請を経て発行された証明書を寄託機関に直接提出しなければならなかったが、これからは別途の証明書なしに寄託機関にすぐ分譲申請をすることができるようになった。分譲資格証明申請をする際に提出しなければならなかった複雑な試験・研究証明書、特許公報などの申請書類も簡素化し、今後は、分譲資格証明申請書に簡単に分譲情報を記入さえすればよい。

特許庁長は「今回の制度改善によって微生物関連特許出願および微生物分譲手続きが簡単かつ迅速に簡素化され、微生物関連特許出願と寄託微生物の産業的活用が増えると期待される」とし、「微生物寄託制度の改善を始めに、特許制度全般に隠れているさまざまな規制を積極的に見つけ出し除去することで、国民の目線に合わせていく取組を続けていきたい」と述べた。

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