知的財産ニュース 韓国特許庁、公知例外主張制度の利用現況を発表

2022年6月27日
出所: 韓国特許庁

1年以内の公知技術、特許受けられる
20年間(2001~2020)計76,063件、2006年と2012年の制度要件緩和後大幅増
米国とは制度が統一しているが、欧州・中国等との制度調和必要

A教授は、全固体電池の技術開発に成功した後、特許庁に特許を出願した。しかし、A教授が当該技術を2か月前に論文として発表し公開したため、特許が受けられないという結果を通知された。解決策を探していたところ、特許庁が送ってきた通知書の下段で公知例外主張の申請に関する内容を見つけ、期間内に公知例外主張を申請して特許を登録することができた。

韓国特許庁は6月23日、過去20年間(2001~2020)76,063件の特許・実用新案の出願で公知例外主張制度が利用され、年度別の公知例外主張件数は2001年732件から2020年5,346件へと大幅に増加し、着実に利用されていると発表した。公知例外主張とは、発明が出願前に公知(公開)されたとしても、一定の要件(※)を満たしている場合、その発明が公知されていないものとみなして特許が受けられるようにすることである。自己発明の公開による被害を防止し、研究結果の迅速な公開を促して産業発展に資するようにするための制度である。
※(公知形態の要件)出願人が公知した場合、出願人の意思に反して公知された場合
(期間の要件)公開日から12か月以内に出願

出願人の類型別に見ると、大学(54.1%)、研究機関・公共機関(16.3%)、中小企業(11.0%)、内国人個人(8.6%)、大企業(4.9%)、中堅企業(2.8%)の順に公知例外主張制度を利用していることがわかった。特に、出願件数に対する公知例外主張の割合(2016年~2020年)は、大学(20.1%)、研究機関・公共機関(8.4%)、非営利機関(8.0%)の順であり、大企業(0.6%)、中堅企業(1.4%)、中小企業(1.3%)等の企業の利用頻度は相対的に低いことがわかった。これは、大学は技術を開発した後、論文を先に発表してから特許を出願する傾向がある一方、企業は他の企業より先に市場を先取りするために、技術を開発してから直ちに特許を出願するためであると分析される。

海外の現況を見ると、米国は、韓国と同様に公知例外申請期間が12か月であり、すべての形態の公知に対して公知例外を認めている。その反面、欧州や中国などの公知例外申請期間は6か月と短く、公知の形態は、欧州は国際博覧会で公開された場合等に、中国は中国政府が主管・承認した国際展覧会および規定されている学術会議で公開された場合等に制限している。

一方、韓国特許庁は、公知形態制限の緩和(2006年)、申請期間の延長(2012年)、補完制度の導入(2015年)など、規制を緩和するための国内制度の改善とともに海外進出の出願人の便益向上と権利保護に向けて世界知的所有権機関(WIPO)の会議などで公知例外要件の国際的な調和を引き続き議論している。

特許庁長は「これまで、公知例外主張制度を持続的に改善してきた結果、公知例外主張の申請件数が年間5,000件以上に大幅に増加し、規制緩和の効果を確認することができた。特に、大学と研究機関が特許を確保する上で大きく役立っていることがわかった」とし、「ただし、海外出願の際に米国を除く欧州や中国などでは、厳しい要件により公知例外が認められない可能性があるため、発明を公開する前に優先的に特許庁に出願することを推奨する。特許庁は海外に進出する韓国企業と発明者を保護できるよう公知例外の要件など、特許制度の国際的な調和について多様な議論を積極的に推進していきたい」と述べた。

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