知的財産ニュース 韓国特許庁、オンライン偽造品在宅モニタリング団の取締り実績を発表

2022年6月23日
出所: 韓国特許庁

キャリア中断の女性等を活用してオンラインで偽造品の流通を遮断、3兆9,000億ウォンの被害を予防

韓国特許庁は6月23日、「オンライン偽造品在宅モニタリング団」が2019年から現在まで(2022年4月)開かれたオープンマーケット、ポータルサイト、SNSなどのオンライン流通チャンネルで偽造品の掲示物約45万件を摘発して販売中止させ、約3兆9,000億ウォンの消費者被害予防効果を出したと発表した。
※被害予防効果:品目別(かばん、衣類、履物など)平均純正品価額×年度別取締り実績×掲示物1件当たり平均販売予想数量

オンライン偽造品在宅モニタリング団の取締り実績(単位:件、億ウォン)
区分 オープンマーケット ポータルサイト SNS 合計 被害予防効果推計額
2019 36,499 29,261 55,776 121,536 9,381
2020 47,812 30,667 48,063 126,542 9,114
2021 38,981 55,486 77,139 171,606 15,761
2022.4 1,945 9,114 18,001 29,060 4,592
合計 125,237 124,528 198,979 448,744 38,848

モニタリング団が摘発した掲示物を見ると、品目別には、かばん、衣類、履物が全体の70%以上を占め、商標別には、グッチ、ルイ・ヴィトン、シャネル、バレンシアガ、プラダ等の順であり、侵害された商標権は合わせて690件である。

オンライン偽造品在宅モニタリング団の品目別/商標別の取締り実績(2019年~2022年4月)

かばん145,536、衣類127,747、履物74,716、財布28,796、小物26,355、時計20,777、アクセサリー17,023、その他7,794の順である。グッチ55,613、ルイ・ヴィトン50,393、シャネル48,503、バレンシアガ18,795、プラダ18,753、ナイキ17,582、ディオール16,614、バーバリー13,044の順である。

モニタリング団は、就職脆弱層を採用してオンライン流通経路の偽造品掲示物の遮断など、消費者の被害予防を目的に発足(2019年4月)し、在宅勤務が可能であるため、育児および通勤に困難があるキャリア中断の女性(134人)等、153人で構成・運営されている。
※釜山に住んでいるキャリア中断の女性ナ・スキョン(仮名・38歳)さんは、出産と育児のためキャリアが中断し、育児と仕事を並行できる仕事を探していたところ、「モニタリング団」に合格して今日もオンライン偽造品取締りを実施している。

ルイ・ヴィトンコリアの知的財産権担当理事は「オンライン偽造品を取り締まるためのモニタリング団の運営は、海外では見つからない良い事例だと思う」とし、「モニタリング団と商標権者が偽造品の流通防止という共同の目標を持って運営されていることに感謝する」と述べた。

特許庁長は「モニタリング事業は、商標権者のブランド価値保護と消費者の被害予防に対して効果が高いだけでなく、就職脆弱層に新しい雇用を提供できるという点で、引き続き推進していく予定だ」とした上で、「オンライン偽造品の流通根絶を強化するために、休日などに常時モニタリングを強化する一方、常習・マルチチャンネル販売者に対する企画捜査も拡大していく計画だ」と述べた。

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