知的財産ニュース メタバース関連NFT、コンテンツ特許出願前年比それぞれ5.3倍、2.8倍急増
2022年4月4日
出所: 韓国特許庁
メタバース市場の成長に伴ってNFT・コンテンツの特許が浮上する!
新型コロナウイルス感染症拡大以降、非対面デジタル社会が本格化し、未来のコメとしてメタバースが注目されている中、メタバース(※)に係るNFT(※※)およびコンテンツの特許出願が大幅に増加したことがわかった。
※メタバースは、超越と現実世界を意味するメタ(meta)とユニバース(universe)の造語で、NFT(Non-Fungible Token)、コンテンツ、ディスプレイおよびオペレーティングシステムが融合して社会、経済、文化などの活動が行われる3次元仮想世界である。
※※NFTは、メタバースの資産を保存するための手段として、デジタルファイルの所有記録および取引記録をブロックチェーンに永久的に保存し、デジタルファイルの資産化をサポートする技術である。
韓国特許庁によると、メタバース関連特許は最近10年間(2012年~2021年)年平均24%に増加し、特に2021年には1,828件が出願され、前年比約2倍増加した。デジタル資産の管理、認証、セキュリティなどに向けたNFT関連特許は2017年から本格的に出願が始まり、最近5年間(2017年~2021年)年平均143%増加し、2021年には前年比5.3倍以上急増した。また、芸能、学習、ショッピング、ファッション、健康、ゲームなどのメタバースコンテンツ関連出願は2017年から2021年まで年平均37%の高い増加率を示し、2021年には2020年より2.8倍以上急増した。これは、世界の主流文化に成長したポピュラー音楽、ドラマ、ゲームなどのようなKコンテンツがメタバースコンテンツに拡張し、その成果に対するデジタル資産化の悩みが特許申請につながったものと見られる。
技術分野別に見ると(2012年~2021年)、仮想世界を構築するためのオペレーティングシステムが3,221件と全出願量の47%に上り、コンテンツは2,292件(33%)、ディスプレイは961件(14%)、NFTは397件(6%)がそれぞれ出願された。NFTとコンテンツだけでなく、オペレーティングシステムをサービスするネットワークおよび人工知能アバター技術の出願は16.2%、そして没入感と感覚の相互作用を高めるディスプレイ技術も15.2%の伸びを示した。これは、仮想空間を通じて提供されるサービス脚本(シナリオ)、すなわちビジネスモデルとそれを支えるためのハードウェアやソフトウェアの開発によってもメタバースの進化が進んでいることを意味する。
出願人別には(2012年~2021年)、内国人が6,460件(94%)を出願し、外国人出願411件(6%)に比べてはるかに高い割合を占めた。外国人の出願は2019年から減少しているのに対して内国人の出願は年平均53.7%に増加し、韓国企業がメタバース技術を先取りしてデジタル経済時代に戦略的に備えていることを見せている。また、サムスン電子(262件)、韓国電子通信研究院(132件)、LG電子(66件)等が多出願順位に入り、情報通信技術に強みを持つ企業と研究機関が特許権の確保に積極的に乗り出していることがわかった。
一方、特許庁はNFTが知的財産全般に及ぼす影響を分析し、多様な争点を見出すために「NFT・知的財産(IP)専門家協議体」を今年1月に発足させて制度の改善事項、特許の行政活用方策などを深く検討している。
特許庁の生活用品審査課審査官は「デジタルコンテンツの多角化とNFTで取引される資産価値の上昇は、これらを基盤とするメタバース市場の急激な成長を導くだろう」とし、「韓国企業がメタバースエコシステムの強者として位置づけられるためには、メタバースプラットフォームの完成度と品質を保証できる特許技術の保護と権利化に能動的に対応しなければならない」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195




閉じる