知的財産ニュース 韓国、2年連続国際特許出願（PCT）世界4位！

• 韓国企業の2021年世界知的所有権機関（WIPO）国際特許出願（PCT）の増加率（3.2％）が日本、中国など上位5カ国のうちで最も高い
• 上位企業10社のうち、韓国企業はサムスン電子（3位）、LG電子（4位）の2社

韓国特許庁は、サムスン電子、LG電子など韓国企業による2021年世界知的所有権機関（WIPO）国際特許出願（以下、PCT（※）出願）が、2020年比3.2％増加（2万678件）し、2年連続で世界4位（※※）となったことを明らかにした。
※PCT（Patent Cooperation Treaty）：一つの出願書をWIPOなどに提出することにより、特許権の取得を希望する複数の国に特許を出願した効果が得られる
※※韓国のPCT出願順位：4位（2007～2009年）→5位（2010～2019年）→4位（2020～2021年）

特に、韓国の前年比PCT出願増加率は、新型コロナウイルスによる困難にもかかわらず、上位5カ国（中国、米国、日本、韓国、ドイツ）のうちで最も高い（3.2％）ことが分かった。これに対し、日本とドイツの2021年PCT出願は前年度に比べそれぞれ0.6％と6.4％減少し、中国と米国はそれぞれ0.9％と1.9％の増加にとどまったと調査された。

PCT出願件数は、ブルームバーグ・イノベーション指数（2021年韓国が世界1位）、世界知的所有権機関（WIPO）グローバルイノベーション指数（※）（2021年韓国が世界5位）において各国のイノベーション力を評価する尺度として活用されている。
※信頼度の高い国際機関（WIPO）、欧州経営大学院（INSEAD）などが主管する各国のイノベーション力評価指数であり、2021年には132カ国を81の指標に基づいて評価

2021年の全世界PCT出願は、27万7,500件で前年比0.9％増加し、中国は6万9,540件を出願して3年連続で世界1位となった。中国のPCT出願は2020年比0.9％増加し、世界2位である米国との差は2019年に1,694件、2020年に1万446件、2021年に9,970件を記録した。ファーウェイ（HUAWEI）は6,952件を出願して2017年から5年連続でPCT出願世界1位となり、2位となったクアルコム（QUALCOMM）は上位企業10社のうちで最も高い出願増加率（80％）を記録した。

PCT出願上位企業10社のうち、韓国はサムスン電子（3位）とLG電子（4位）の2社が含まれ、国際特許出願強国であることが確認された。

一方、2021年韓国のマドリッド出願（WIPO国際商標出願）（※）件数においても、注目すべき成長があった。
※マドリッド議定書に基づいて一つの出願書を、本国官庁を通じて世界知的所有権機関（WIPO）に提出する場合、複数の国に商標を出願した効果が得られる

韓国企業などの2021年マドリッド出願件数は1,973件で全世界11位の規模であり、その増加率は2019年に9％、2020年に13％、2021年に24％と、全世界のマドリッド出願増加率（※）に比べ最も高い方である。
※全世界のマドリッド出願の増加率：5.7％（2019年）→‐0.6％（2020年）→14.4％（2021年）

これに伴い、韓国の順位は2018年の14位から2021年に11位と持続的に上昇しており、全世界10位であるトルコとのマドリッド出願量の差も2020年の294件から2021年は100件と減少している。

韓国特許庁は海外に進出したか、または進出予定である中小企業などにおける国際知的財産権の確保を支援している。なお、韓国企業などが世界知的所有権機関（WIPO）の国際出願サービスに対する相談サービスの提供をリアルタイムで受けることができるよう、韓国に世界知的所有権機関（WIPO）の地域事務所を誘致する方策も持続的に推進している。

韓国特許庁通商協力チームの課長は、「今回の結果は、新型コロナウイルスによる困難にもかかわらず、韓国企業がイノベーション活動の結果物を国際的に保護するために海外における知財権確保の努力を強化しているということが示された良い事例だ」とし、「これからも韓国特許庁は韓国企業の海外におけるコア技術が知財権により保護されるよう、友好的な国際環境を築き、多様な支援政策を推進していく計画だ」と述べた。