知的財産ニュース ここ10年間主要国の実感型コンテンツ技術の特許出願、年平均19%増加
2022年2月4日
出所: 韓国特許庁
現実よりもっと現実的なメタバース時代が開く!
最近、ミュージックビデオ、映画、広告撮影、公演と展示などを現実よりもっと現実的な仮想空間で実感型コンテンツを制作したり、新入社員の教育などを実際の会社の空間と類似した仮想空間を利用して非対面で行ったりするメタバースサービスを活用する事例が増えるとともに関連技術が注目されている。
米国の市場調査会社ストラテジー・アナリティクスによると、メタバースサービスを一層リアルに感じさせる実感型コンテンツ技術(※)分野である仮想拡張現実(VR/AR)技術のグローバル産業は2020年から2025年までに6倍成長し、約2,700億ドル(約303兆ウォン)規模に上ると見通した。
※実感型コンテンツ技術:仮想現実(VR:Virtual Reality)、拡張現実(AR:Augmented Reality)、複合現実(MR:Mixed Reality)、クロスリアリティ(XR:eXtended Reality)サービスを利用する上で必要なユーザーとコンピューター間相互作用機能を実現し、没入度を高めるための技術。
韓国特許庁によると、実感型コンテンツ技術に関する特許出願の動向(2000~2020)は知的財産世界5大特許庁(IP5(※))を中心に全体出願件数が計3万1,567件に上り、特に、2010年以降年平均19%と急激に成長したと述べた。韓国の全体(2000~2020)出願件数は計4,524件に上り、2010年以降年平均5%の成長を示した。
※世界中の特許出願の95%を占める先進5カ国の韓国(KR)、米国(US)、日本(JP)、欧州(EU)、中国(CN)の特許庁
世界5大特許庁(IP5)の出願人の国籍別出願比は、米国が43.7%(13,786件)と最も高く、次いで中国が19.7%(6,215件)、韓国が14.6%(4,620件)と僅差を表し、日本8.4%(2,647件)と欧州8.5%(2,697件)は韓国の半分をやや上回る水準となっている。
世界5大特許庁(IP5)の出願人の国籍別出願主体を見ると、世界5大特許庁(IP5)全般で大半の出願を企業が占めており、特に、韓国は他の国に比べ、個人(13.9%)、研究所(8.4%)も高い割合を占めていることがわかった。
細部技術別の世界5大特許庁(IP5)全体の出願量は、コンテンツ提供(38%)、接続装置(インターフェース)(30%)、レンダリング(19%)、トラッキング(13%)の順であり。出願人の国籍別細部技術出願の割合は、すべての技術で米国が最も大きなシェア率を占め、韓国はトラッキング(20%)、コンテンツ提供(18%)で少なくないシェア率を示した。
特許庁のコンピューター審査課審査官は「韓国が今後、メタバースなどで新たなユーザーエクスペリエンスを提供する実感型コンテンツ技術と人工知能(AI)技術などの新技術を融合することで急浮上する新しい関連市場に柔軟に対応しつつ世界市場を幅広く活用すれば、Kメタバースの影響力を広げていくことができると期待している」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195