知的財産ニュース 商標法の改正案、国会本会議を通過

2022年1月12日
出所: 韓国特許庁

個人・小規模事業者および中小企業の商標権獲得が容易になる!

  • 商標法の改正案が国会本会議を通過、部分拒絶制度・再審査請求制度の導入により個人・小規模事業者の商標権獲得に資する
  • デジタル商品取引の活性化に伴って商標使用行為の類型も拡大

韓国特許庁は部分拒絶制度・再審査請求制度の導入(チェ・スンジェ議員代表発議)、商標使用行為類型の拡大(イ・ドンジュ議員代表発議)のための商標法の一部改正案が1月11日火曜日に国会本会議を通過(※)したと発表した。
※2月中改正法律案公布予定→「部分拒絶制度・再審査請求制度」は公布後1年が経過した日から、「商標使用行為類型の拡大」は公布後6カ月が経過した日から施行

部分拒絶制度の導入

現在は商標登録出願の一部の指定商品のみに拒絶理由があっても、出願人が拒絶理由のある商品を削除・補正しない限り、拒絶理由のない商品まで拒絶決定されている。しかし、改正案では、一部の指定商品のみに拒絶理由がある場合、出願人が商品の削除など、別途の措置を取らなくても拒絶理由のない商品は商標を登録できるようにすることで、商標登録出願の手続き・制度に慣れておらず、拒絶理由の通知に時間・費用などの問題で適切に対応できない個人・中小企業出願人の商標権確保に役立つようにした。また、拒絶決定に対する不服審判を請求するとき、全商品に対する審判請求のみ可能であったものを拒絶決定された商品のうち一部のみを対象としても不服審判を請求できるようにし、審判請求の対象のうち一部に対する審判請求の取り下げも可能にして出願人の便宜を図った。

再審査請求制度の導入

現在は、審査官の商標登録拒絶決定に対しては拒絶決定不服審判請求のみを規定しているため、拒絶決定の理由を簡単に解消できる場合であっても必ず審判を通じてのみ克服できるようになっている。しかし、商品の補正などで簡単に拒絶理由を解消できる場合には、不服審判請求の他に、審査官に再審査を請求できる手続きを新設することによって、出願人が拒絶決定を克服できる機会を拡大した。

商標使用行為類型の拡大

従来の商標の「使用」は、通常の商品の占有・移転を前提とした譲渡・引渡しなどに限られているため、オンライン上で提供されるデジタル商品の流通行為に不適合であった。そのため、今回の商標法の改正案に「商標が表示されているものを、電気通信回線を通じて提供する行為又はこれを目的として展示・輸入・輸出」する行為を商標法上商標の「使用」に含めることにより、そのような問題を解消した。
※(例)「ソフトウェア」、「コンピュータプログラム」、「電子ブック」、「顔文字」などのデジタル商品に商標を表示して利用券を販売(サブスクリプションサービス)・掲載(アップロード)するなど

特許庁長は「今回の商標法の改正によって部分拒絶制度と再審査請求制度が導入され、個人・中小企業出願人の商標権確保に資すると期待される。また、オンライン上でのデジタル商品の流通行為が商標使用類型に含まれ、デジタル商品の取引環境の変化が法律に反映された」と述べた。

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