知的財産ニュース 特許庁、「標準特許案内書2.0」を発刊·配布

2021年11月15日

標準特許における戦略を実際の事例を用いて分かりやすく説明し、「事実上の標準化機構」の最新動向情報も提供

韓国特許庁は、2016年に発刊した「標準特許案内書」を改訂し、「標準特許案内書2.0」を発刊·配布すると明らかにした。

「標準特許案内書」は、企業や大学·公共研究機関など、現場の研究者が標準特許の概念を理解しやすくするとともに、自ら標準特許確保の戦略を立てられるように支援する目的で執筆されたものである。

2016年に初めて発刊されてから5年が経ったため、最新情報のアップデートが求められており、研究者の理解を深めるためには、実際の事例を活用した説明が必要であるとの要求が寄せられてきていた。

今回の改訂版では、R&D-標準化における12段階の標準特許戦略ごとに通信技術の標準化事例を挙げることで、既存の概念的説明を補い、標準特許を活用する際に注意すべき点などを実際にあった企業間の訴訟事例を説明して、現場にいる研究者の理解度を高めることに注力した。

また、ますます重要になっている「事実上の標準化機構(※)」の動向情報を追加して、より多様な標準特許の情報が提供できるようにし、既存のデータと統計を最新にアップデートした。

※公的標準化機構(ISO、IEC、ITU)ではないが、市場への影響力などにより事実上の標準を制定している団体(例:IEEE、Wi-Fi、Bluetoothなどの重要な情報通信標準を制定)

標準特許は5G、Wi-Fi、Bluetoothなど標準化された技術により取得した特許のことをいい、標準技術を活用する製品を生産・販売するためには必ず使用しなければならない特許であるため、標準特許の確保は企業競争力に直結するものである。

特に、第四次産業革命時代における技術の発展により、技術間の融合・複合化が加速しており、スマートフォン、IoT、自立走行車のように標準技術を活用する産業領域が拡大されることによって、標準特許の重要性はさらに高まっている。

特許庁の産業財産政策局長は、「『標準特許案内書2.0』は、研究機関や産業現場で標準特許を理解しやすくするとともに、活用にも役立てるために作られた資料ということで意味深い」とし、「今回の改訂版が韓国の標準特許競争力を強化するための礎になると期待している」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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