知的財産ニュース 商標・デザイン分野における韓-欧州の知財権協力を強化

2021年10月14日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁長、欧州連合知的財産庁長官とのテレビ会議を開催

韓国特許庁は、10月14日午後4時に特許庁ソウル事務所で欧州連合知的財産庁(※)とのテレビ長官会合を開催した。

※欧州連合知的財産庁(EUIPO、European Union Intellectual Property Office):欧州連合(EU)加盟国の商標・デザインに関する登録・管理業務などを行う欧州連合の傘下機関

今回の会合で両庁は、商標・デザイン分野の全般における両庁間の協力内容を含めた包括的業務協力に関する覚書(MOU)を締結し、それを実施するための詳細な協力計画(Working plan)について議論した。

MOUには商標・デザイン分野においてメタバース・人工知能・ブロックチェーンなど先端技術を活用した審査行政効率化への協力、商標・デザインDBおよび情報交換、人的交流や審査官教育の進行などの内容が含まれている。

最近仮想世界への関心が高まっており、メタバース内での商標、画像デザインなどの知的財産権を効果的に保護することができるように、両庁間の議論と協力を強化することにした。

そして、両庁は人工知能を活用した自動商標イメージ検索システムを導入・運営しているが、学習データの構築方法を交換するなど、検索システムの性能を向上させるために協力することにした。

また、ブロックチェーンを活用する場合、商標・デザインの登録情報の他、権利者の変動情報をリアルタイムで交換することができ、ユーザーの利便性の向上が期待されており、両庁はブロックチェーンを活用して、登録情報を相互交換するサービスの提供を議論することにした。

詳細な協力計画については、MOUを具体的に実行するために年内に確定される予定であり、人工知能・ブロックチェーンなどの先端技術を活用した審査行政の効率化を議論するための情報化専門家会議、メタバースでの商標・デザイン保護策を共有するための商標・デザイン専門家会議の開催計画などが含まれる予定である。

その他、商標・デザイン審査官教育、商標・デザイン登録情報などのデータベースの交換、審査基準および制度の議論などの内容が含まれる予定である。

さらに、今回の会合で両庁は、商標・デザイン分野における世界5大知的財産庁の協議体であるTM5・ID5(韓国、欧州、米国、中国、日本)において、両庁が持続的に協力することを約束した。 オンライン商標権の侵害防止に対する意識向上に向けて努力し、出願人が電子的方法で優先権書類を提出すると、各国に自動で転送される体系について議論を重ねていくと合意した。

それとともに、ユーザーと知的財産権庁の疎通を活発にするために、両庁が共同で進めている広報協力課題を円滑かつ継続的に推進していくことに合意した。

今回の会談で韓国特許庁長は、「商標・デザイン分野におけるデジタルトランスフォーメーションが加速化しており、メタバース、人工知能、ブロックチェーンなどのイシューに先行対応するのが重要である」とし、「知的財産権の保護を強化し、出願人の利便性を図るために、欧州連合知的財産庁との協力を強化していく計画である」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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