知的財産ニュース 韓国、グローバル・イノベーション指数で世界5位、アジア1位!
2021年9月23日
出所: 韓国特許庁
上位20ヵ国のうち、最も大幅に順位上昇(10位→5位)
特許出願、電子政府など9つの詳細指標で1位獲得
韓国産業通商資源部と韓国特許庁は、国連傘下の世界知的所有権機関(WIPO、World Intellectual Property Organization)が2021年9月20日午後8時(韓国時間)に発表したグローバル・イノベーション指数(Global Innovation Index)(注1)で韓国が史上最高の5位を占め、アジア地域では、シンガポール、中国、日本などを追い越し、イノベーション大国として飛躍することになったと発表した。
132ヵ国を対象に行われた今回の評価では、スイス、スウェーデン、米国、英国が2020年に続いて2021年も1位から4位を占め、アジアでは、韓国に続いてシンガポールが8位、中国と日本がそれぞれ12位、13位を占めた。
韓国は2020年より5段階ランクアップ(※)し、上位20ヵ国のうち、イノベーション能力が最も大幅に改善された国として評価された。
※韓国の順位:(2012年)21位→(2015年)14位→(2018年)12位→(2019年)11位→(2020年)10位→(2021年)5位
区分 | スイス | スウェーデン | 米国 | 英国 | 韓国 | シンガポール | ドイツ | 中国 | 日本 |
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順位 | 1(1) | 2(2) | 3(3) | 4(4) | 5(10) | 8(8) | 10(9) | 12(14) | 13(16) |
今回、韓国が高い評価を受けた理由について、厳しい国内外の環境の中でも、(1)未来への投資を続けるとともに、(2)これらの投資が無形資産の創出、拡散の活性化に影響を与えたからであると分析している。
韓国はイノベーションインプット5項目、イノベーションアウトプット2項目からなる合計7個の評価項目(※)の中で、未来に対する投資を評価する人的資本・研究分野において3年連続で世界1位を占めた。
※評価分野
- イノベーションインプット(5項目):制度、人的資本・研究、インフラストラクチャ、市場の洗練度、ビジネスの洗練度
- イノベーションアウトプット(2項目):知識と技術の生産、創造的な生産
また、新型コロナウイルスによる状況の中でも韓国国内・外における知的財産権の出願増加(※)などにより、イノベーション活動を測定するイノベーションアウトプット(2項目)の評価項目は、2020年10位から2021年5位に大幅に順位が上がった。
※韓国国内における知的財産権の出願(2020年):前年度比9.1%増。
WIPO国際特許出願(2020年):前年度比5.2%増、ドイツを追い越して11年ぶりに国際特許出願4位を獲得。
81項目の詳細指標別にみると、韓国は2020年より5項目多い9つの指標(※)で世界1位を占めた。
※世界1位の細部指標:GDP比特許出願、GDP比PCT出願、GDP比パテントファミリー(2ヵ国以上出願)、GDP比デザイン出願(以上、知的財産関連)、人口比研究員数、人口比企業研究員数、政府のオンラインサービス、電子政府のオンラインへ参加、ハイテク輸出の割合
そのうち、知的財産に関連する指標は、GDP比の特許出願など4つの指標を獲得しており、政府のオンラインサービス、ハイテク輸出の割合なども新たに追加された。
一方、9月20日の午後8時(韓国時間)に開催された2021年のグローバル・イノベーション指数の発表行事では、韓国をはじめ、今回のグローバル・イノベーション指数において優秀な評価を受けたスイス、スウェーデンなど6ヵ国(※)の閣僚レベルが、各国のイノベーション政策と経験を共有する時間が設けられた。
※韓国、スイス、スウェーデン、アラブ首長国連邦(UAE)、インド、トルコ
当行事で、韓国の産業通商資源部長官は、映像メッセージを通じて、(1)K-防疫と半導体・二次電池の世界市場シェア1位などに例えられる韓国のイノベーションに向けた取り組みと成果、(2)環境にやさしい政策を通じたカーボンニュートラルとD.N.A(※)、ロボット・ドローンなど、未来の有望産業に対する投資拡大などによるデジタルトランスフォーメーションに向けた韓国の計画などを紹介した。そして、国際社会の関心と協力を呼びかけた。
※データ(Data)、ネットワーク(Network)、人工知能(AI)
特許庁長は、「コロナ禍による厳しい状況の中でも、他の国に比べてグローバル・イノベーション指数が上昇することができた主な理由は、危機を乗り越えるための韓国の革新的な努力とそれに伴う成果が高い評価を受けたからであると考えられる」と述べた。
また、「今後も、特許庁は、創造的なアイデアと技術革新の結果である知的財産権を効果的に活用し、保護することができる制度的基盤を構築することで、技術革新と経済発展の好循環が生み出せる環境づくりに取り組んでいきたい」とコメントした。
注記
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世界知的所有権機関(WIPO)、欧州経営大学院(INSEAD)などが世界中のWIPO加盟国を対象に、未来の経済発展などの主要な成長エンジンとなるイノベーション能力を測定し、各国の公共政策、または経営戦略の確立などに必要な情報を提供するため、2007年から開始。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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