知的財産ニュース ここ10年間における部分デザインの出願件数、約3倍増
2021年8月23日
出所: 韓国特許庁
サムスン電子、LG電子、グーグルなどの電子通信業が上位の多出願企業
韓国特許庁が過去2001年から導入した部分デザインの出願制度において、デザイン出願人の関心が高まっていることが分かった。
「部分デザイン出願制度」とは、デザインの中で特徴的な要素がある主要部分のみを権利として設定することができる制度であり、適切に活用すれば1つのデザインを用いて複数のデザインを出願する効果があるため、非常に強力な権利保護手段として挙げられる。
部分デザイン出願制度:家電メーカーのA社は、エアコンの吹き出し口をユニークな形にデザインして部分デザイン権を獲得した。部分デザイン制度を導入する前には、競合他社がA社の吹き出し口のデザインを模倣して製作してもエアコンの全体的な形状さえ異なれば侵害にならなかった。しかし、部分デザイン出願制度を導入してからは、侵害に該当するため、競合他社はA社の製品を模倣することはできない。
部分デザインの出願件数は、2011年3,771件から2020年1万107件に約3倍増加しており、年平均11.6%の増加率を見せている。そのため、全体のデザイン出願件数のうち、部分デザインの出願件数が占める割合も2011年6.4%から2020年14.1%に2倍以上増加した。
「ここ10年間における部分デザインの出願件数および全体の出願件数に対する出願率」
2020年に出願された部分デザインを物品類別に見ると、携帯/ウェアラブルコンピュータなどのデジタル機器が含まれている電気および通信機械用品が3,322件(32.9%)で最も多く、生活用品1,320件(13.1%)、衣服と身の回り品1,161件(11.5%)などの順で出願されている。
「2020年に出願された部分デザインの事例」
企業別の出願件数を見ると、サムスン電子(779件)とLG電子(734件)による部分デザイン出願が他の国内・外の企業に比べて圧倒的に多く、外国法人はグーグル(155件)、アップル(148件)、ナイキ(140件)などの出願が多かった。
※国内企業:サムスン電子(779件)、LG電子、電子(734件)、CJ(60件)、コーロン(54件)など
※外国法人:グーグル(155件)、アップル(148件)、ナイキ(140件)、Magic Leap(124件)など
特許庁の商標デザイン審査局長は「部分デザインの出願は、ここ10年間着実に増加しており、特に国内・外の主要企業によってデザイン競争力を強化するための手段として活用されている」とし、「個人のデザイナーや中小企業も部分デザイン出願制度を積極的に活用するように推奨している」と述べた。
「添付」2020年における出願件数の現状
1.2020年韓国国内における出願件数および出願に対する部分デザイン出願件数のシェア
2.2020年部分デザインを出願した上位5位の多出願企業
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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