知的財産ニュース デジタル時代、注目される新商品は?

2021年8月18日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁、デジタル融合・複合中心の新規商品取引実態調査の結果を発表

超現実世界と呼ばれる拡張仮想世界(メタバース)関連産業が急浮上している。最近、新型コロナウイルスによりデジタルトランスフォーメーションが加速化し、教育・ゲーム・文化・医療等の様々な産業界で拡張仮想世界(メタバース)と融合させて新しい形態のプラットフォームが続々と登場した。

サムスン電子は7月19日に、NAVERのメタバースプラットフォーム「ゼペット」でバーチャルスペースインテリアとして活用できるライフスタイルテレビを限定販売し、5分で完売した。有名ブランドの「グッチ」は、ゼペット内にイタリア本社があるフィレンツェを背景に仮想店舗「グッチヴィラ」をオープンし、衣装やハンドバッグ、アクセサリーなど60種類以上の新商品をアイテム化して販売したところ、利用者の反応は爆発的であった。

製造業分野では、非対面・非接触分科の拡散とともにデジタルが融合された多機能商品が開発され、いち早く発売されている。

配達用自動運転ロボットは、本体のコンテナの中に物を保管し配達する無人自動走行輸送機具で、交通弱者を検知し、周辺の障害物を認識する機能を備えている。スマートフォンと連動した投球分析用野球ボールは、内蔵されたセンサーによってボールの速度、回転速度などを測定し、投球の軌道を3D分析し、そのデータをスマートフォンアプリで確認できる。

韓国特許庁はデジタルトランスフォーメーション時代に対応し、急変する産業社会の商品取引状況を把握するため、「新規融合・複合商品の取引実態調査の結果」を発表した。

調査結果によると、新型コロナウイルス及び情報通信産業技術の発展に支えられ急激に成長している3次元仮想世界プラットフォーム「拡張仮想世界(メタバース)」関連の出願が今年初めて登場した。全体で18件の商標が出願され、「メタバースゲーム用のソフトウェア、メタバースコンテンツ提供用のソフトウェア、メタバースソフトウェアの設計及び開発業」などの商品を指定して審査を待っている状況である。

また、製造業にデジタルを融合させた多機能化※商品も著しく増えてきたが、スマートフォンアプリケーションで遠隔制御や分析情報を提供する機能が搭載された「自動カーテン制御装置、スマート卵保管箱、スマート体成分検査用体重計、スマート縄跳び用縄」などがこれに該当する。

※科学技術分野(9、42類)の出願推移:(2016年)24,321→(2020年)34,207(28.9%)
※多機能(複数類似群)商品の出願推移:(2016年)801,972→(2020年)1,120,321(28.4%)

その他、実態調査の結果により目立つ商品としては、新型コロナウイルスに対処するための「殺菌機能が内蔵されたスマートフォン無線充電器、コロナウイルスの自己検査キット、浄水機能水筒、空気清浄扇風機」などの衛生清潔製品があり、1,500万のペット人口及び動物の法的地位に関する法改正の取り組みなどにより、ペット産業成長の成長が予測され、デジタル機能が搭載されたペット商品(ペット用キューブカメラ、ペット位置追跡ネックレス、ペット自動給食機)も多数含まれる。

一方、調査対象の新規商品はすでに出願されたか、出願が予想される商品を中心に構成された。ただし、このように新しく登場する商品について商標登録を受ける場合に、出願人が留意すべき点は主な機能または用途を考慮して明確な商品名称と記載しなければならない。指定商品の名称または商品類が間違えて記載される場合は登録の遅延や商標登録が拒絶されるからである。

韓国特許庁商標デザイン審査局長は、「今後、仮想拡張現実技術の発達により、メタバースプラットフォームなど様々な超連結新商品がグローバル市場をリードするはずだ」とし、「技術分野における先導企業など韓国の出願人が、新商品に対する商標権の早期獲得に積極的な関心を持ってほしい」と述べた。

※メタバースなど仮想拡張現実世界を体験するために必要なハードウェアといえる「頭部着用ディスプレイ(Head Mounted Display)」は、2021年4月に韓国の提案によりニース(Nice)国際商品分類の公式名称として認められた。

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