知的財産ニュース 特許庁、技術流出および侵害を防ぐための「技術警察」を本格発足!

2021年7月27日
出所: 韓国特許庁

技術警察課、商標警察課、不正競争調査チームに拡大改編

韓国特許庁は、国家産業競争力の中核である主要技術の流出と侵害を防ぐための技術捜査専担組織を新設し、本格的な業務に乗り出すと発表した。

いわゆる、偽物の取り締まりが中心だった既存の産業財産調査課を技術警察課(技術調査専担組織)、商標警察課(商標捜査専担組織)および不正競争調査チーム(行政調査)に拡大し、技術調査の人員を補うことが今回の改編の骨子である。

※捜査・調査官の増員:産業財産調査課(47名)→技術警察課(22名)、商標警察課(29名)、不正競争調査チーム(7名)、全体58名(11名増員)

今回、新設された技術捜査の専担組織は、米中貿易戦争などにより日増しに深刻化している国家間の技術覇権競争において、国の主要技術の海外流出と侵害を防止する、心強い技術の番人の役割を果たすことになる。

それに合わせて特許庁は、迅速かつ公正な技術捜査のために長年にわたって審査・審判の経験を積み、技術および法律の専門性を備えている専門人材で技術警察課を構成した。

※特許庁は1、200名に及ぶ審査・審判人材を保有しており、そのうち約500名は博士、弁護士、弁理士など、関連分野における専門家である

特許庁の商標警察は、2010年から5万3,000件余りの通報を処理しており、4,000名を刑事立件、1,200万点余り(正規品価額5,200億ウォン)の模倣品を押収した。

また、大規模な模倣品の取締りにも積極的に対応し、サプリメントの模倣品(正規品価額652億ウォン相当、2015年)、マスクパックの模倣品(正規品価額200億ウォン相当、2019年)、自動車ホイールの模倣品(正規品価額225億ウォン相当、2017年)などの流通を遮断することで、国民の健康と安全を守ることにも注力してきた。

技術警察は、2年という短い期間で415件の告訴を捜査するとともに、759名を刑事立件しており、これは1年に処理される事件を基準にすると、全体技術事件の約17%に当たる数値である。

特許庁は7月27日に政府大田庁舎で関連機関長らを招待し、「技術警察発足式」を開催する予定だったが、大田市に社会的距離の確保の4段階が適用され、行事をキャンセルした。

関連機関長らは、参加の代わりに技術警察の発足へのお祝いメッセージを送った。

大田地方法院長は、「特許庁の技術・商標警察組織の拡大に伴う調査・捜査力の強化を通じて、知的財産の体系がさらに強固になることを期待する」とし、「大田地方法院も公正かつ厳正な刑事裁判を行い、協力していくつもりである」と祝いのメッセージを伝えた。

大田地方検察庁の検事長は、「特許庁の技術警察が専門性をもとに、知的財産権を保護し、国家競争力の強化に貢献すると期待しており、大田地方検察庁も管轄検察庁として国内・外における知的財産権の侵害犯罪が根絶されるように最善を尽くしたい」と述べた。

大田警察庁長も、「知的財産保護の重要性がこれまでない重要な時期に、特許庁が名実共に知的財産を保護する執行機関として生まれ変わったことを歓迎しており、大田警察庁も、特許庁との協力を強化して知的財産を保護するためにより努力する」と伝えた。

特許庁長は、「今回、技術捜査を専門担当する組織を本格的に発足したことをきっかけに、海外への技術流出事件に捜査力を集中する」とし、「韓国企業の尽力で開発されたイノベーション技術に対する侵害も厳重に取り締まることで、公正な市場秩序が構築されるように努力する」と明らかにした。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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