知的財産ニュース 特許庁、デザイン「新韓国分類体系」を7月1日から施行

2021年6月30日
出所: 韓国特許庁

一つの分類で出願から審査まで、出願人の権利確保に対する予測可能性が高まる

韓国特許庁は、デザインの物品分類体系を7月1日から意匠国際分類ロカルノ協定に基づいた「新韓国分類体系(LUC、Locarno-based Unified Classification(※)」に全面転換される。

※LUC:ロカルノ分類に基づいた統合型の新韓国分類体系

物品分類は、デザイン出願の対象となる物品を用途および機能、形態別で一定の体系に従って分類し、すでに出願されているデザインと同一・類似な先行デザインを探すための制度であり、出願および審査の基礎になる。

韓国は「意匠の国際登録に関するハーグ協定」に加盟して国際デザイン出願制度を施行しており、2014年7月1日からロカルノ分類を公式的な分類体系に採択して出願段階で活用している。

しかし、出願されたデザインへの権利付与を決定する審査段階では、検索効率性が高い韓国国内の分類体系をそのまま使っていたため、それを国際基準に合わせて統合したものである。

これまで分類体系を二元化して運営してきており、出願段階における国際分類の物品範囲と審査段階における国内分類の物品範囲が異なることもあり、出願人が物品の類似性を判断する際に混乱を起こす場合もあった。

「物品の類似性判断に混同した事例」

「デザイン登録出願をする前にKIPRISで先行デザインの調査をしていたが、ロカルノ分類では06類-11群で同じだった『遊び用マット』と『幼児用マット』が、韓国国内の分類では、それぞれ『E2-50』、『C1-13』で異なるため、どの分類を基準にし、どこまで類似な物品なのかを判断するのが難しかった」(出願人A氏)

これから特許庁は、「類(Class)」と「群(Sub-class)」で構成された国際分類体系に検索効率性が高い韓国の国内分類体系を統合した先進型の新韓国分類体系を開発して施行することになる。

それにより、個人デザイナーおよび企業がデザイン出願を準備する過程において、特許庁の審査官と同じ基準で物品の類似性を判断することができるようになり、権利確保の予測可能性が高くなる。

さらに、国際基準に沿った物品の分類体系を運営することで、ハーグ協定に加盟している主要国との2年周期で施行するロカルノ物品分類体系の改正作業に積極的に参加できる契機になると期待できる。

新たに施行される新韓国分類体系は、7月1日以降の出願から審査段階にのみ適用され、出願段階では現在と同様に国際分類を活用すればよい。

「デザイン出願および審査段階別に活用される物品分類の比較」

現行は、出願段階では国際分類、物品分類審査段階では国際分類と(旧)国内分類、実体審査段階では(旧)国内分類、登録段階では国際分類を使っていた。これからは物品分類審査段階と実体審査段階で国際分類基盤の新韓国分類を使うようになる。

特許庁の商標デザイン審査局長は、「新韓国分類体系の導入により、先行デザイン調査の効率が高まり、審査品質が向上されると期待している」とし、「特許庁はデザイントレンド変化の加速化に備えて強力なデザイン権を創出することができる基盤づくりに最善を尽くしたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195