知的財産ニュース 生活防疫用品のデザイン、「著しく増加しており、非対面が主流」

2021年6月21日
出所: 韓国特許庁

非対面・非接触機能の強化および透明素材を活用したデザインがトレンド

韓国特許庁によると、2020年新型コロナウイルスの長期化と生活の中の距離確保(社会的距離の確保の1段階)により、生活防疫の重要性が強調され、生活防疫用品(※)のデザイン出願が大幅に増加したと発表した。

※生活防疫用品は、「生活の中の距離確保の細部指針(2020年11月、中央災難安全対策本部)」に基づいて、個人生活の防疫用品と(マスク、体温計、手指消毒器)、集団生活の防疫用品(パネル、消毒用噴霧器、防疫ゲート)に区分

2019年に比べて、2020年の生活防疫用品別のデザイン出願動向を見ると、個人生活の防疫用品であるマスクは216%(2019年786件→2020年2,490件)、体温計は583%(2019年6件→2020年41件)、手指消毒器890%(2019年11件→2020年109件)で3桁以上の出願増加率を見せており、集団生活の防疫用品であるパネルは1,090%(2019年11件→2020年131件)、消毒用噴霧器44%(2019年29件→2020年42件)、防疫ゲート11,100%(2019年1件→2020年112件)の出願増加率を示した。

前例のない新型コロナウイルスの影響で、感染予防が日常の中心になり、非対面・非接触機能の強化と透明素材などの活用は、デザイントレンドにも多くの影響を与えたと分析される。

防疫用品別にみると、マスクは鼻と口を覆う一般的なデザインの出願割合が2019年80.2%(630件)から2020年63.4%(1,584件)に減少した一方、非対面の機能が強化された顔面保護マスクのデザイン出願割合は、2019年0.4%(3件)から2020年4.9%(121件)に増加した。

また、口の部分を透明にしたマスクデザインの出願割合も2019年0.1%(1件)から2020年7.0%(175件)に増加したが、これは「マスク着用により発生する乳幼児の言語発達遅延と聴覚障害者の学習権保障」のような必要性がデザインに反映されたと解釈される。

体温計は、2019年に出願された6件が全部接触型デザインだったが、2020年には接触による感染を予防するために接触型デザインの出願割合が9.8%(4件)に減少した一方、非接触型デザインの出願割合は87.8%(36件)に急増した。

手指消毒器は、小型デザインの出願割合が2019年90.9%(10件)から2020年33.9%(37件)に減少した一方、非対面・非接触のための体温検知センサー、消毒液自動噴射機能付きの大型スタンド式デザインの出願割合は2019年9.1%(1件)から2020年47.7%(52件)に明らかな増加傾向を見せている。

パネルは、以前はスペースを分離するのが目的で不透明な素材が主に使われたが、2020年には飛沫防止とともに顔を見ながらコミュニケーションできるように透明素材が使用されたデザインが85件(64.9%)出願された。

防疫ゲートは2019年に1件(100%)で固定設置型デザインの出願のみだったが、2020年に71件(63.4%)の固定設置型デザインの出願に加えて、防疫に柔軟に対応できるようにユーザビリティーを高めたキャスター付きの移動式デザインも41件(36.6%)出願された。

特許庁産業デザイン審査チームの審査官は、「生活防疫用品デザインの出願増加およびデザイントレンドの変化はコロナ禍が日常になった今、業界が積極的に対応してきた結果であると思っており、しばらくは非対面・非接触機能の強化と透明素材を活用したデザイントレンド傾向が続く」と予想した。

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