知的財産ニュース ミサイルも特許出願できます

2021年6月14日
出所: 韓国特許庁

ミサイル関連の特許出願、ここ5年間162件

ミサイルなど、国防関連技術も特許出願(申請)と登録することができる。

韓国特許庁によると、ここ5年間(2016~2020年)ミサイルに関連する特許は162件が出願されたことが分かった。

細部技術別に見ると、(1)発射体関連技術が93件で全体の57.4%を占めており、(2)胴体制御関連技術41件(25.3%)、(3)弾頭関連技術28件(17.3%)の順であった。

このうちミサイルの射程距離に関連する技術分野は、発射体技術と胴体制御技術である。基本的には弾頭の重量を維持したまま射程距離を伸ばすためには、エンジンの開発など、発射体の推進力を増加させる技術が重要となる。その他、ミサイルの飛行安定性を確保するために、胴体の空気力学的設計技術および操舵技術も重大な影響を与える。

出願された特許を出願人別に見ると、韓国人の出願は93件(57.4%)、外国人の出願は69件(42.6%)であった。

韓国人の多出願人は、(1)国防科学研究所、(2)ハンファ、(3) LIGネクスワンの順で、外国人の多出願人は、(4)BAEシステムズ(英国)、(5)レイセオンカンパニー(米国)、(6)三菱電機(日本)の順であった。 (機関別の出願件数は未公開)

ミサイル関連の技術の分野は、他の技術分野に比べて特許出願件数が相対的に多くないが、これは政府が主導する戦略兵器の特性を持つため、ほとんどの技術は国策研究機関および防衛関連企業により開発されており、開発された技術の多くも、特許出願せずに国家機密資料として管理されているからであると判断される。

なお、ミサイルのような国家戦略兵器分野の主要技術は、特許法41条の「国防上必要な発明等」に対する規定に基づいて非公開情報として管理され、これにより、関連技術および動向に関する情報へのアクセス性が他の技術分野に比べて著しく低い。

特許法第41条(国防上必要な発明等)

第1項 政府は、国防上必要である場合、外国へ特許出願することを禁止し、又は発明者・出願人及び代理人にその特許出願の発明を秘密として取り扱うべきことを命ずることができる。ただし、政府の許可を受けた場合には、外国に特許出願をすることができる。
第2項 政府は、特許出願された発明が国防上必要である場合には、特許をしないことができ、戦時・事変又はこれに準ずる非常時に国防上必要である場合には、特許を受けることができる権利を収用することができる。
第3項 第1項による外国への特許出願の禁止又は秘密取扱による損失については、政府は、正当な補償金を支払わなければならない。
第4項 第2項により特許をせず、又は収用した場合には、政府は、正当な補償金を支払わなければならない。
第5項 第1項による外国への特許出願の禁止又は秘密取扱命令に違反した場合には、その発明について特許を受けることができる権利を放棄したものとみなす。
第6項 第1項による外国への特許出願の禁止又は秘密取扱命令に違反した場合には、外国への特許出願の禁止又は秘密取扱による損失補償金の請求権を放棄したものとみなす。
第7項 第1項による外国への特許出願の禁止及び秘密取扱の手続、第2項から第4項までの規定による収用、補償金支払の手続、その他必要な事項は、大統領令で定める。

1979年に「米韓ミサイル指針」を締結して以来42年の間、韓国はミサイル先進国に比べて技術開発および情報共有が極めて制限されていた。

5月22日、米韓両国の首脳が同指針の終了に合意したため、特許庁は、今後、関連技術の現状と情報共有が拡大され、さまざまな産学研の研究者の参加と相互競争を通じて革新的な技術が開発され、特許出願も活性化すると期待している。

さらに、民需産業に応用可能な技術を積極的に発掘し、産業界との協力を拡大することで、ミサイル指針の廃止が関連産業を発展させる契機につながることを期待している。

特許庁の輸送機械審査課の審査官は、「米韓ミサイル指針の撤廃により、韓国の自主国防態勢が一層強化されることはもちろん、主要国の機密を除いた技術を民間に果敢に技術移転し、情報公開を拡大して、関連産業を活性化することこそ、確保したミサイル主権の効果を最大化する道である」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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