知的財産ニュース 特許審判の国際協力に向けて、IP5の特許審判長と膝詰めで議論

2021年6月11日
出所: 韓国特許庁

日米欧中韓の特許審判院長と世界知的所有権機関(WIPO)、初の公式会談を開催

世界の知的財産(IP)分野をリードする、日米欧中韓の特許審判院長と世界知的所有権機関(WIPO)が集まり、IP5特許審判院長会談を行った。

6月10日の夜にビデオ会議で行われた今回の会談では、特許紛争の環境変化による機関間の協力の在り方について議論された。5ヵ国の特許審判機関の長とWIPOが一堂に会した公式会談は今回が初めてである。

今回の会談を契機にIP5の特許審判院間の協力が本格化すると見込まれており、ますます増加している多国籍特許紛争に対応するための実務的議論と国際的な研究も可能になると期待される。

会談の参加者は、各機関の現況および今後の政策の方向について発表し、相互の意見交換を行った。また、審判分野における実務協議チャンネルの構築、審判情報の共有・公開、ユーザセミナーの共同開催、次回のハイレベル会談の開催計画などについても協議した。

さらに、最近の知的財産紛争がますます大型化・グローバル化しているが、各国の審判制度が異なるため、相互の制度を理解するための特許審判分野における国家間の協力がいつもより重要な時期であることに認識を合わせ、協力のために持続的かつ活発にコミュニケーションすることを約束した。

韓国の特許審判院長は、「現地において知財権保護の方向や紛争環境は、企業の海外投資決定に重要な考慮要素であるが、それを自ら把握することは容易ではない。今回の会議をきっかけにIP5の特許審判院が緊密に協力するようになり、海外の審判動向などの有用な情報を韓国産業界に提供できるように最善を尽くしたい」と述べた。

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