知的財産ニュース 特許データの高付加価値を実現するための「知的財産(IP)デジタルイノベーションセンターの開所式」を開催

2021年5月20日
出所: 韓国特許庁

特許庁、隠れている特許のD.N.A(※)を見つけ出す

※資料(Data)、ネットワーク(Network)、人工知能(AI)

韓国特許庁は、5月20日(木曜)15時30分から韓国特許情報院で「IPデジタルイノベーションセンター」の開所式を開き、特許データを戦略的に活用するためのデジタル基盤を構築していくと発表した。

世界中の約4億9,000万件に至る特許データは、各国の企業、研究所などが努力と予算を投資して作り上げた先端技術情報の結晶として、グローバルにおけるイノベーション成長の先行指標の役割を果たしている。

グローバルな技術覇権競争が加速化し、それによりバリューチェーンが再編されている現在の状況の中で、特許データを多角的に分析すれば技術変化の流れを迅速かつ正確に把握することができ、データに基づいた客観的な技術・産業戦略を策定することができる。

そのため特許庁は、データの入手から構築・普及・活用に至る全サイクルに人工知能(AI)技術を組み合わせて、知的財産データの戦略的な活用をリードする「IPデジタルイノベーションセンター」を発足することにした。

特許庁は「IPデジタルイノベーションセンター」を通じて、(1)特許文献から有用なデータを新しく発掘し、(2)データを簡単に活用できる構造でDBを再設計し構築する計画である。

さらに、(3)韓国国内の人工知能(AI)専門会社と緊密な協力体制を維持する一方、独自に開発したAI技術、学習データなどを共有できるプラットフォームを構築し、企業、研究機関などのデジタルトランスフォーメーションを支援する。

※(1)価値向上:新しい価値を創出するための文脈情報などを構築および融合・連携、AI学習データを構築
(2)行政改革:データ活用の観点からDB構造の転換および特許行政サービスの知能化
(3)活用促進:知能情報インフラの構築、韓国国内外の知能型IPサービスのコンサルティングおよび技術支援

「IPデジタルイノベーションセンターの主要機能」

価値創出は有用なデータの新規発掘‧構築とIPデータの価値を発掘およびIPデータの融合・連携、サービスイノベーションは特許行政のデジタルトランスフォーメーションと特許ネットのデジタルトランスフォーメーションおよび特許行政サービスの知能化、活用支援はAI、データなどデジタル技術の開放と情報共有‧活用プラットフォームの構築、能力強化はデジタルの重要要素の技術・人材の確保とIPエコシステムのデジタルイノベーションにおける協力体系の強化

特許庁次長は「これまでは、特許審査の行政効率性を向上するという観点から、特許データの管理に集中してきた」とし、「これからは、韓国企業がR&D特許戦略を確立する時、データベースの客観的な政策決定ができるよう『IPデジタルイノベーションセンター』レベルの支援を強化していくつもりである」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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