知的財産ニュース 第四次産業革命時代は速度が重要!臨時明細書でスピード出す!

2021年5月20日
出所: 韓国特許庁

論文、標準文書などをそのまま提出して特許出願を速やかに

多利用企業はLG電子とサムスン電子で1、2位を占め

韓国特許庁は、2020年から臨時明細書制度を施行した結果、臨時明細書の月別利用件数が3倍以上増加(※)するなど、第四次産業革命分野において発明が特許出願されるまでの時間をより短縮していると発表した。

※臨時明細書の利用件数:(2020年4月)227件→(2021年4月)730件(3.2倍増)

  • 臨時明細書制度(2020年3月30日施行):特許出願時に既存の標準化された明細書の形式を要求せず、pdfなど、さまざまな形式の臨時明細書を提出するよう、積極的な行政を運営するために導入した。出願日(優先日)から1年2ヵ月になる日まで正式明細書を提出することができる。

臨時明細書制度を施行する前には、特許出願の際に最初から決まった書式に合わせて明細書を作成しなければならなかったため、明細書の作成に時間がかかり、速やかな出願ができないという意見が多かった。

特に、第5世代移動通信システム(5G)のような標準特許を先に確保しておく必要がある重要分野の企業は、国際標準化の会議が行われる間にリアルタイムで特許を出願するという戦略が求められていたが、従来は正規の明細書を作成しなければならなかったため、特許出願が遅くなるという問題があった。

そのため、一部の企業は米国の仮出願制度(※)を利用して、米国に先出願した後、米国出願に基づいて再び韓国に出願する戦略を活用することもあった。

※仮出願制度:韓国の臨時明細書制度と同様に、特許出願の際、標準化された明細書書式の代わりに自由書式で発明を書いて提出する制度

臨時明細書は、制度導入の趣旨にふさわしく、第四次産業革命に適合したデジタル新技術分野に集中的に活用されていることが分かった。

全体の臨時明細書の出願のうち、技術変化が速い通信(26.3%)・コンピュータ技術(13.6%)・電子商取引(10.0%)などのデジタル新技術分野が半分(49.9%)を占めている。

臨時明細書制度の主な利用者もデジタル新技術分野の企業である、LG電子とサムスン電子が1、2位を占めており、制度施行後、それぞれ1,191件、637件を臨時明細書で出願した。

LG電子は、通信技術分野のみで984件(82.6%)を臨時明細書で出願しており、サムスン電子は通信(171件、26.8%)とコンピュータ技術(240件、37.7%)の分野を中心に、臨時明細書制度を活用している。

特許庁の特許審査企画局長は、「韓国企業の強みである通信・コンピュータ技術などの第四次産業革命時代におけるデジタル新技術分野は、他の分野に比べて標準技術を先取りすることが非常に重要であるため、出願人の立場から迅速に出願できる臨時明細書制度が非常に役に立つ」とし、「韓国特許庁は第四次産業革命を支援する政策を継続的に設けることで、韓国企業が知的財産権分野において技術覇権を主導できるように積極的に支援する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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