知的財産ニュース コロナパンデミックがサービス商標の地形も変えた

2021年3月15日
出所: 韓国特許庁

放送、通信、コンピュータ産業は増加、旅行、宿泊業、結婚式業界は減少

コロナパンデミックの影響により非対面産業が成長し、放送、通信、コンピュータ分野におけるサービス業の商標出願が著しく増加したことが分かった。

一方、社会的距離の確保などにより対面活動が減り、旅行・宿泊業、ウェディングサービス業分野の商標出願は減少した。

※サービス業商標:サービス業を営む者が、自己のサービス業を他人のサービス業と識別するために使用する商標

韓国特許庁によると、新型コロナウイルスの影響にもかかわらず、2020年における主要サービス業の商標出願は13万811件で、2019年(11万3,050件)に比べて15.7%増加したことが分かった。

このような増加をけん引したのは、非対面基盤のサービス業に関連する放送・通信業とコンピュータ関連業である。

「非対面、デジタルトランスフォーメーションなどにより放送、通信、コンピュータ産業の商標は増加」

主要サービス業別にみると、放送業が56.8%増加し、増加幅が最も大きかった。その次に通信業(45.9%)、コンピュータ関連業(31.1%)、通信販売業(26.6%)の順である。

特に、放送業、通信業、コンピュータ関連業の増加が目立っている。これは遠隔教育、在宅勤務、外出自粛をする人を対象にした非対面基盤のサービス業であるインターネットプラットフォーム、個人放送およびコンピュータのソフトウェア等に関連するもので、非対面化、オンライン業務への変化が反映されたものと分析される。

また、卸小売業(通信販売)関連の出願が26.6%と大幅に増加した。これは社会的距離に確保により、オンラインショッピングを利用する消費者が増加したことが影響を与えたと解析される。

「社会的距離の確保、非対面化による旅行および宿泊業の商標は減少」

それに反して、社会的距離の確保、非対面化の拡大により関連商標も減少した。

旅行業は-17.4%で、減少幅が最も大きかった。その次に宿泊業(リゾート、ペンションなど)-6.2%、ウェディング業(結婚情報、結婚式場業など)-7.2%の順となり、社会的距離の確保による集まり、行事の制限に伴う影響が反映されたと判断できる。

また、多目的施設に対する集合禁止制限で、営業活動が大きく萎縮していたゲームサービス業(インターネットカフェなど)1.9%、公園運営業(遊園地など)7.2%、芸能業(芸能公演、コンサートなど)7.9%、衛生業(公衆浴場、サウナ施設など)9%なども、サービス業全体の平均増加率に満たないことが分かった。

特許庁の生活用品商標審査課の審査官は、「新型コロナの影響によるサービス業種間の不均衡がサービス業の商標出願にも反映されたと見られる」とし、「ワクチンの接種と防疫活動による感染者の減少、集団免疫の形成によって日常生活に戻ることができれば、これまで減少傾向だった旅行業、宿泊業などの出願も増加すると期待している」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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