知的財産ニュース 特許庁、「スタートアップの知的財産バウチャー事業」への参加企業の受付開始
2021年3月2日
出所: 韓国特許庁
知的財産(IP)サービス、バウチャーで便利に利用しましょう。
「支援を受けた企業の事例」
人工知能に基づいたチャットボットを開発するスタートアップの42Maru社(2018~2020年連続で支援対象)は、海外進出を控えて海外のIPを確保する必要があったが資金調達に苦労していた時に、特許庁の知的財産バウチャー事業に選ばれた。同事業のバウチャーを利用して、国内特許10件、米国特許1件を確保することができて技術のイノベーション性も認められ、欧州最大の創業企画者(シードアクセラレーター)(※)のプログラムに選定されるとともに投資誘致にも成功した。42Maru社は、これからグローバル市場をリードする企業としての成長を目指している。
※シードアクセラレーター:スタートアップに初期資金の調達やメンタリングなどを支援する団体
韓国特許庁は、3月2日(火曜)から15日(月曜)まで、「スタートアップの知的財産バウチャー事業」に参加する企業を募集すると発表した。
2018年に導入した知的財産バウチャー事業は、スタートアップが希望する時期に必要なIPサービスを自由に選択できる事業であり、毎年8:1前後の競争率を示すほど人気が高い。
支援対象は、創業7年以内および売上高100億未満の企業で、第四次産業革命に関連する挑戦的な課題(※)に取り組んでいる、技術・IPを基盤にしたスタートアップである。
※新しい製品/サービス/工程の開発、または既存の製品/サービス/工程を画期的に改善
バウチャーの支援金額は、小型(500万ウォン)、中型A(1,000万ウォン)、中型B(1,700万ウォン)に区分けられ、小型は書類審査、中型は書類および発表審査で支援対象を選定する。
評価項目は、技術性(50点)、バウチャーの使用計画(20点)、市場性(15点)、企業の能力(15点)で構成されている。
バウチャーが使えるIPサービスは、韓国国内・外におけるIPの権利化、特許調査分析、価値評価などであり、2021年から「営業秘密の原本証明サービス」も含まれる。
「IPサービスの項目」
| IPサービス項目 | 細部内容 | サービス提供機関 |
|---|---|---|
| 国内/海外のIP権利化 |
国内:特許、実用新案、デザイン、商標出願
海外:特許(PCT国際/国内)、実用新案、デザイン(ハーグ)、商標(マドリッド)出願 |
IPサービス期間のプール(Pool)の中から選ぶ |
| 特許調査分析およびコンサルティング | 専攻技術調査・分析、無効資料の調査・分析、侵害調査・分析、特許マップの作成、IPコンサルティング(特許動向の把握、特許戦略の確立など) | |
| 特許技術の価値評価 | 移転・取引、金融、事業化、訴訟、技術上場のための価値評価 | |
| 技術移転 | 特許技術の販売・購買(またはライセンシング)仲介 | |
| 営業秘密保護 | 営業秘密の原本証明サービス |
特許庁の産業財産政策局長は、「新型コロナウイルスを克服する段階に入っているスタートアップが、IPを基盤にして、さらに成長できるように積極的に支援していきたい」と述べた。
その他、詳細な内容については、特許庁のウェブサイトおよび知的財産バウチャー事業の管理システム
で確認することができる。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
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