知的財産ニュース 特許庁、2021年「知財権紛争対応センター」の事業を開始

2021年2月17日
出所: 韓国特許庁

紛争モニタリング、対応戦略支援などに171億ウォンを投入

素材・部品・設備の企業とのホットラインを構築、ビデオ相談会を開催

韓国特許庁は、輸出企業の知的財産権(以下「知財権」)の保護および紛争対応を支援するために、2020年末に発足した「知財権紛争対応センター」の2021年度海外知財権保護事業を本格的に推進すると発表した。

2021年に計171億ウォンの事業費を投入して、知財権紛争対応能力が不足している中小企業とのホットラインを構築し、紛争情報のモニタリングおよびカスタマイズ型の紛争対応戦略コンサルティングなどを重点的に支援する計画である。

1. 素材・部品・設備企業と対応センターとの接点拡大

技術の国産化が進んでいる素材・部品・設備産業を集中支援するために、対応センター内で「素材・部品・設備の特許紛争専門担当班」を運営する。専門担当班は、素材・部品・設備企業とのホットラインを構築して、紛争の動向、紛争類型別の対応手続きなどをオンラインで提供する予定である。

また、素材・部品・設備企業に紛争リスクの事前診断および紛争初期段階での相談サービスを支援し、紛争が発生した特許の先行技術に対するアドバイスを提供するために、「素材・部品・設備の特許紛争諮問団(※)」を構成・運営して半期ごとにビデオ相談会も開催する計画である。

2.知財権紛争の動向案内およびモニタリング

その次に、これまで米国での侵害訴訟が中心だった知財権紛争モニタリングの対象を日本、欧州、中国に拡大し、素材・部品・設備分野における異議申立、無効審判の情報も収集・分析して企業に提供する計画である。

そして海外商標ブローカーによる商標の無断先取り(※)や海外オンライン模倣品流通(※※)のモニタリングを拡大して被害事実を適時に案内し、法的対応を支援するなどの後続措置も強化する予定である。

※中国、タイ、インドネシア、ベトナム
※※中国、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピンなど

3.知財権紛争対応戦略コンサルティングを提供

最後に、対応センターの紛争専門家(PM)がモニタリングとホットラインを通じて収集した情報をもとに、特許法人などと連携して、個別企業の紛争状況に合わせたカスタマイズ型の対応戦略を提示する計画である。

特に特許侵害訴訟または海外商標紛争に巻き込まれた場合、効果的に対応するために申し込みおよび審査手続きを簡素化して、最小2週間以内に法的対応ができるよう支援する。

特許庁の産業財産保護協力局長は、「グローバル貿易紛争に続き、新型コロナウイルスの影響によって世界に保護貿易主義が広がっており、輸出企業におけるグローバルバリューチェーン(GVC)の再編が加速化することにより、知財権紛争の拡大が予想される」とし、「知財権紛争対応センターを通じて、韓国の輸出企業がこのような危機をうまく克服することができるよう、最大限支援していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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