知的財産ニュース 特許庁、大学・公共研究機関の収益で再投資をする支援事業を拡大

2021年2月16日
出所: 韓国特許庁

光州科学技術院、東国大学医療院、忠南大学など5つの新規機関と業務協約を締結

韓国特許庁は、2021年から知的財産の収益における再投資支援事業の対象機関を9ヵ所から14ヵ所に拡大すると発表した。

2021年事業の対象機関として新たに選定された光州科学技術院、東国大学医療院、忠南大学、韓国電子技術研究院、韓国標準科学研究院の5つの機関と、2月16日(火曜)15時に政府大田庁舎で業務協約を締結する。

知的財産の収益における再投資支援事業は、大学・公共研究機関の持続可能な特許技術の事業化システムを構築するために、2019年から始まった事業である。

大学と公共研究機関は、支援資金を活用して、特許技術の事業化を推進し、それにより発生した技術料収益の一部を回収して、他の有望な特許の事業化に再投資するように支援する事業である。

大学・公共研究機関は、支援が終了しても特許技術の事業化活動を継続できるように、独自の特許技術事業化ファンドを構築して運営するという点で、従来の一過性の支援事業とは異なる。

2021年の知的財産の収益における再投資支援事業は、計15の大学と公共研究機関が申し込み、3.75対1の高い競争率を記録しており、審査の結果、その中から光州科学技術院、東国大学校医療院、忠南大学、韓国電子技術研究院、韓国標準科学研究院(5機関)が選ばれた。

特許庁は、今回選ばれた機関が知的財産の収益における再投資支援事業を通じて特許技術事業化ファンドを造成するために、今後3年間、毎年1〜3億ウォンの資金を支援することになる。

知的財産の収益における再投資支援事業の成果

*特許庁は、2019年から知的財産の収益における再投資支援事業を実施し、9つの大学と公共研究機関に計45億ウォンを支援した。
その結果、特許移転114件およびロイヤリティ76億3,000万ウォンの成果を創出し、これまで支援金の38%である17億4,500万ウォンの技術料を回収した。
特に新型コロナウイルスのため、技術移転活動に制約があったにもかかわらず、韓国材料研究院の場合は支援初年度に、水素脆化への抵抗性および強度向上に向けた高エントロピー合金技術などの特許技術を移転し、支援金に比べて3.6倍の技術移転ロイヤリティを創出した。そして、支援金の44%を特許技術の事業化ファンドで回収する成果を出した。

さらに、特許庁は、知的財産の収益における再投資支援事業に参加した機関が、技術および特許、研究現況を中小・中堅企業と共有するプログラムを設け、産業現場が必要とする技術が研究開発につながるよう積極的に支援する計画である。

特許庁長は、「毎年、研究開発の規模が拡大していることに対し、開発した技術の活用率が大幅に改善できない限界を乗り越えなければならない」とし、「特許庁は、大学・公共研究機関の優秀な技術を選別して国内と海外の特許につなげるとともに、知的財産の収益における再投資支援事業で技術移転の体系を革新することで、大学・公共研究機関の優秀な技術が韓国中小企業の競争力向上につながるよう積極的に支援する計画である」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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