知的財産ニュース 最先端の発明教育センターに変身、特許庁が支援します

2021年1月22日
出所: 韓国特許庁

発明教育センターの運営支援および教育環境の改善に38億ウォンを投入

韓国特許庁は、安全かつ快適な発明教育環境を造り、体験・実習型である最新の発明教育を支援するため、発明教育センターの運営および現代化への支援事業(2021年38億ウォン)を本格的に推進すると発表した。

発明教育センター
発明教育センターは、青少年のアイデアを創出・共有し、自ら発明品を製作できるように支援することで、創造性と想像力を育む特殊教育施設である。特許庁は、1995年に最初の発明教育センターを設置し、現在は全国で207ヵ所のセンターを運営している。発明教育センターは、特許庁と市‧道の教育庁が協力して運営されており、第一線の学校ではセンターの教育性を推薦するために選抜試験を行われるほど、人気が高い。

2019年には新型コロナウイルスの拡大にもかかわらず、34万人の若者が正規の課程や、特別課程など、さまざまな発明の教育課程を修了した。その結果、修了学生が出した創造性の高いアイデア394件が特許‧デザインなどで出願された。また、市‧道および全国で運営する発明・創造性大会に1万5,184人の学生が参加して1,536人が入賞する成果も収めた。このように、発明教育センターは発明教育の拠点機関として役割をしっかりと果たしている。

特許庁は、全国各地域の青少年を対象に発明教育を提供するため、「207ヵ所の発明教育センター運営」と社会的弱者に対する発明教育の機会を拡大するために「訪問型発明体験教室」を推進(28億2,000ウォン)する。

さらに、発明教育センターの教育環境を改善するために、発明教育センターの現代化支援事業(9億7,000ウォン)を、2021年から新たに推進する。

現代化支援事業は、国民が直接投票する「市民参加型予算」により反映された事業である。設置してから長い期間が経っている発明教育センターは施設が老朽化しており、ドローンと3Dプリンターのような最新の機材も揃っておらず、安全かつ快適な教育環境への改善が急がれている状況について多くの人が共感したためである。

現代化支援を希望する市・道の教育庁および発明教育センターは、3月26日まで申込書(特許庁‧韓国発明振興会のウェブサイトで確認)を提出すればよい。申し込んだ機関に対する書面審査、現場調査および専門家審査を経て10ヵ所以上の現代化支援対象を選定する。特に、設置してから10年以上経過しているか、または教育環境が非常に劣悪なセンターを中心に推進する予定である。

支援対象に選定されれば、センターのリモデリングだけでなく、コーディング‧3Dモデリング、ロボット、アルドゥイーノ(※)などの最新機材の導入も支援する。それとともに、新型コロナウイルスの拡散が長期化することにより、学生と遠隔でコミュニケーションできる、非対面教育のインフラ構築も支援する予定である。

※アルドゥイーノ:さまざまなセンサや部品を装着することができ、入出力・中央処理装置が含まれている基板

特許庁の産業財産政策局長は、「韓国社会がデジタル経済に急激に移行しているため、発明教育も最先端技術を活用することで、日常生活に適用できる独自のアイデアを創出できるように進化しなければならない」とし、 「学生の創造性向上に非常に効果が高い発明教育を普及するために、今後も最新の発明教育環境づくりを継続的に拡大していくつもりである」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195