知的財産ニュース OLED素材分野の特許出願が年平均で5%増加

2021年1月15日
出所: 韓国特許庁

韓国企業のOLED素材分野における特許出願が目立つ

韓国特許庁によると、ここ5年間(2015~2019年)、有機EL(OLED)素材分野の特許出願件数は、2015年533件から2019年651件に年平均5%で毎年着実に増加していることが分かった。

OLED素材分野は、携帯電話、TVなどに使われる最新のディスプレイである、OLEDパネルの発光に関わる有機化合物素材であり、OLEDに使われる素材は発光層、共通層用の素材に分けられ、発光層用はホスト(host)とドーパント(dopant)物質で構成されている。これらの素材が電極の間に積層されてOLEDパネルを構成している。

出願人の類型別で見ると、ここ5年間(2015~2019年)、韓国企業が79%、外資系企業が16.2%で、韓国企業がOLED素材分野の特許出願を主導していることが分かった。

韓国企業のここ5年間における出願件数を見ると、LG系列会社が939件で最も多い特許を出願したことが分かった。その次に、サムスン系列会社442件、DS Neolux245件、斗山(Doosan)203件の順であった。

特に、OLED市場への進出が相対的に低迷だったドーパント(※)に関連する出願もここ3年間、韓国企業110件、外資系企業22件で外資系企業より5倍多く出願しており、韓国企業が出願を主導している。今後ドーパント市場でも韓国企業が活躍すると期待している。

※ドーパント:OLEDの主要素材であり、発光層内の色を実現する発光物質実装する発光物質

特許庁の高分子繊維審査課長は、「今後、OLEDの需要が増加することで、それに関する材料市場も急速に成長すると予想されており、韓国企業はOLED素材市場をリードするために継続的な研究開発と特許権の確保が求められている」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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