知的財産ニュース 最近、デザイン権の保有期間が徐々に伸び、2010年比で1.8年増加

2020年8月12日
出所: 韓国特許庁

デザイン産業の規模が拡大した影響

非対面産業分野における権利保有期間の長期化が予想される

デザイン権の重要性および事業的な活用度がますます高まっており、個人や企業におけるデザイン権の保有期間も伸びている。

韓国特許庁によると、デザイン権利者は平均6.9年間、その権利を維持することが分かった。これは、10年前(2010年)の平均的な権利保有期間である5.1年に比べて1.8年が長くなったもので、歴代最長期間を記録している。

※2019年に消滅されたデザイン権2万6,542件の分析結果

2019年に消滅されたデザイン権保有期間を区間別にみると、10年以上にわたって長期保有している件が全体の19.6%を占め、3年超過10年未満の件は41.5%、3年以下の短期保有件は30.1%をそれぞれ占めていることが分かった。

2010年と比較すると、10年以上にわたって長期維持する権利の割合が3.8倍増加(2010年5.2%→2019年19.6%)した一方、3年以内に消滅された権利は0.7倍に減少(2010年41.8%→2019年30.1%)したことが分かった。

出願人の類型別でみると、公企業が14.4年で最も長く、大手企業と中小企業がそれぞれ7.1年と7年、個人と大学は6.2年維持していることが分かった。

10年前と比べて大手企業は2.5年、中小企業は1.9年増加した。デザイン権を保有するには、少なくない費用がかかるが、大手企業・中小企業の両方の保有期間が大幅に伸びたのは、韓国経済およびデザイン産業にも前向きな兆しである。

これは結局デザインの経済的価値が高くなったためであり、最近では企業がデザイン権をあらかじめ登録・保有しようとする傾向が強まっている。

ARグラス(※)製品の市場が2020年から本格的に成長すると見込まれており、Googleやサムスンなど主要なグロバル企業がすでに5〜6年前からそれに関連するデザインを登録・保有しているのも同じ脈絡である。

※Augmented Reality Glasses(拡張現実グラス):透視機能とコンピュータを搭載したメガネタイプのデバイスで、ウェアラブルコンピュータの一種

これからは新型コロナウイルスの拡散などにより、全世界において非対面・非接触社会への転換が加速化すると予想される。そのため、遠隔診療、サービスロボットなど、新産業分野およびタッチレスデザインの登録・保有に対する企業の先取り競争が過熱すると見込まれる。

特許庁の商標デザイン審査局長は、「経済危機を克服するために非対面・デジタル産業に関連する良質なデザイン権の創出を奨励し、保有しているデザイン権の活用・保護が行われ、最終的には企業と産業界に貢献できるよう、関連法・制度を継続的に整備していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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