知的財産ニュース スマート物流倉庫の特許出願が活発!

2020年12月28日
出所: 韓国特許庁

2015年44件→2019年66件、ここ5年間で年平均10.7%増

新型コロナウイルスの影響により非対面文化が広まっているため、物流業界への需要が急増している。物流業界は、スマート化を通じて、急変する市場の需要に対応しようとしている。物流入庫、保管および出庫までの全プロセスを自動化する、「スマート物流倉庫」に関する特許出願が活気を帯びている。

韓国特許庁によると、物流倉庫の自動化に関連する出願は、2015年44件から2019年66件に、ここ5年間年平均で10.7%増加したことが分かった。

特に韓国人の出願は、2015年24件から2019年52件に年平均で21.3%増加し、全体の出願増加率(10.7%)を大きく上回っている。

詳細技術別に見ると(2015~2019年)、物品を棚に入庫や出庫するために移動させる入出庫関連技術が121件で全体の44%を占めており、物品を積載して保管する棚・ラック関連技術が71件(26%)、物品を棚に収納および搬出するためのピッキング(picking)関連技術が55件(20%)、物品情報を自動的に保存および管理する在庫管理の関連技術が24件(8%)の順であった。

物流倉庫の自動化における中核技術であるピッキングと入出庫関連技術は、韓国人・外国人いずれも関心を持っている分野であり、計176件(韓国人83件、外国人93件)で64%を占めている。

物品を保管する棚・ラック関連技術は、外国人の出願は5件(2%)に過ぎなかったが、韓国人の出願は66件(24%)であるなど、韓国人の関心がより高い分野であると解釈される。

出願人別に見ると(2015〜2019年)、ここ5年間、韓国人が163件(59%)、外国人が113件(41%)を出願して物流倉庫の自動化技術は、韓国人に限らず外国人の出願も活発であった。

韓国人の出願は、中小企業が83件で30%を占め、個人54件(19%)、大学および研究所16件(6%)、大企業10件(4%)の順であり、韓国国内における物流業界の特性上、中小企業と個人の割合が高かった。

特許庁の輸送機械審査課長は、「最近、新型コロナウイルスによる宅配混乱により、物流の効率的な管理に対する必要性が強調されており、政府もデジタルニューディールの一環としてビッグデータ、人工知能およびロボット技術を活用したスマート物流倉庫の認定および支援を強化しているため、物流倉庫の自動化に向けた特許出願は、さらに急増すると予想している」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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