知的財産ニュース 特許庁、2020年特許技術賞の授賞式を開催

2020年12月21日
出所: 韓国特許庁

SOS LAB, BKTが2020年特許技術賞の世宗大王賞を受賞

韓国特許庁が発明者および創作者のモチベーション向上とともに発明の雰囲気を全国民に拡大するため毎年開催している、「特許技術賞の授賞式」が12月18日(金曜)ソウル銀行会館で開催された。

当日の授賞式は、新型コロナウイルスの拡散防止のために非対面で行われ、12人の受賞者は自宅、職場で賞を受け取った。

最高の栄誉である世宗大王賞には、SOS LABとBKTが受賞した。

※特許技術賞は半期ごとに、世宗大王賞、忠武公賞、池錫永賞(2点)、洪大容賞(2点)、丁若鏞賞(デザイン)を選定

上半期の世宗大王賞を受賞したSOS LABは、韓国で唯一3D固定式ライダーを開発しているスタートアップ企業であり、韓国国内のライダー企業の中で最も技術力が優れていると評価されており、産業通商資源部で推進しているグローバル協力R&D事業で自律走行車両用の固定式センサーを開発する課題に共同開発者として参加している。

今回受賞した特許は、ライダーの小型化、軽量化が可能であり、長距離測定と高解像度の測定に有利な構造になっており、自律走行車に適したライダーとして高い評価を受けている。また、ロボット、ドローンなどに適用されるライダー装置に対する需要も増加しているため、これから関連産業の成長に大きく貢献すると期待される。

下半期の世宗大王賞を受賞したBKTは水処理の専門企業であり、今回受賞した特許は、微生物のアナモックス(Anammox)を利用して排水処理に使われる酸素を最小限に抑えることで、外部炭素源を投入せずに排水の窒素を除去する技術である。

従来技術に比べ、酸素供給量65%、外部炭素源の投入100%、スラッジの生産量80%、所要敷地面積70%減少などによって下水処理およびメンテナンス費用を最大80%削減でき、下水・排水処理分野における次世代の主要技術として評価されている。

上半期の忠武公賞には、SKハイニックスが「素子分離膜を二元化した半導体装置の特許」で受賞し、下半期は、アモーレパシフィックが「ビタミンCの効能を維持する組成物の特許」で受賞した。

上半期の池錫永賞には、韓国標準科学研究院とMEK-ICSが受賞し、下半期は、FINEDNCとCreacubeが受賞した。

上半期の洪大容賞にはLunitが受賞し、下半期はSG DesignおよびLetin ARが受賞した。

その他のデザイン分野に与えられる丁若鏞賞には、PRESENTが受賞した。

当日、特許技術賞の授賞式に参加した韓国特許庁長は、「デジタルトランスフォーメーションが加速しており、社会全般に革新的な変化が起きているが、韓国がデジタル経済時代をリードするためには、発明者の役割が重要である」と述べ、「特許庁は発明者を優遇する環境づくりと発明を効果的に保護‧活用できるように積極的に関心を持って、最大限支援していきたい」とコメントした。

2020年の特許技術賞には、計345件が申し込まれ、29対1の高い競争率を見せた。

特許技術賞の受賞者には賞金が与えられ、受賞した発明には特許庁の発明奨励事業(※)支援と中小ベンチャー企業部が主管する創業カスタマイズ型事業化支援事業を選定する際に優遇が提供される。それとともに、受賞した発明の事業化、マーケティングにも役立つように、特許技術賞の受賞マークを提供する予定である。

※発明奨励事業:特許技術評価の支援、知的財産活用戦略の支援、特許技術取引のコンサルティング、優秀製品優先購買の推薦など

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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