知的財産ニュース タイヤの磨耗によるPM2.5を特許技術で減らす

2020年11月30日
出所: 韓国特許庁

  • PM2.5の予防に向けた、タイヤの耐摩耗性技術に関連する特許出願が続く
    ※タイヤの耐摩耗性に関連する特許出願(年平均件数):2010~2019年に30件以上
  • 最近、タイヤに捕集フィルターを設置し、タイヤから発生する埃や大気中のPM2.5を除去する「タイヤのPM2.5フィルタリング技術」の出願が活発
    ※タイヤのPM2.5フィルタリングに関連する特許出願(累積):2010~2014年(0件)→2015~2019年(6件)

有害ガスを排出しないエコカー(電気自動車または燃料電池自動車)も、タイヤからPM2.5が発生しており、その予防や除去することができるタイヤの耐摩耗性に関連する技術の出願が継続されている。

「タイヤの耐摩耗技術」


タイヤの耐摩耗性に関連する技術は、タイヤの素材や物性を変化させるゴム組成物の技術、路面に接するタイヤ接地面(トレッド)の溝形状を調節するパターン設計技術、トレッドの断面形状または角度などを調節して剛性を改善するタイヤ構造技術に区分される。

韓国特許庁によると、タイヤの耐摩耗性に関連する技術の特許出願は、2010年から2019年まで、年平均30件以上が継続的に申請されていることが分かった。

2010年から2019年までの技術分野別における特許出願の割合を見ると、ゴム組成物技術331件(76%)、パターン設計技術63件(14%)、タイヤ構造技術37件(9%)と調査された。

出願人別に見ると、韓国人が267件(61%)、外国人が170件(39%)で韓国人が特許出願を主導した。

韓国人は大企業167件(38%)、中堅企業83件(19%)、中小企業9件(2%)、個人5件(1%)、大学および研究機関3件(1%)の順で、大·中堅企業が大部分(57%)を占め、外国人の中では日本が133件(30%)、フランスとドイツがそれぞれ11件(各3%)であった。

一方、最近タイヤや大気中のPM2.5を捕集する「タイヤのPM2.5フィルタリング技術」が新規出願され始め、注目を浴びている。

※関連技術の特許出願(累積):2010~2014年(0件)→2015~2019年(6件)

すなわち、車の運行中に発生するPM2.5を捕集できるようにタイヤスポーク部内のセルに吸着フィルターを設置してPM2.5を収集・除去する技術が代表的な事例である。

特許庁の自動車審査課長は、「国民の健康に大きな危険となるPM2.5への対策が重要性を増しており、タイヤのPM2.5予防または低減技術の開発が活発に行われる」と予想した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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