知的財産ニュース 番組で紹介された独自のレシピも特許出願できる

2020年10月20日
出所: 韓国特許庁

独創的な料理のレシピも特許登録できる

2016年以降に登録されたレシピの特許は1,450件

最近、テレビ番組である「ペク・ジョンウォンの路地裏食堂」で紹介された「ドプジュク」レシピの盗作が問題となり、独自で開発したレシピが特許により保護を受けられるかに対する関心が高まっている。特にオンラインや番組ですでに公開されたレシピは保護を受けることが不可能であると認識されていた。
しかし、レシピにおいても従来にはなかった料理を開発するか、それとも知られている料理でも新しいレシピを使って独創性が認められる場合、特許を受けることができる。
また、すでに公開されても1年が経っていなければ、特許出願をすることができる。韓国大田のパン屋巡りで有名なあるパン屋の人気メニューである、「揚げそぼろパン」も特許登録を受けた。

韓国特許庁によると、ここ4年間(2016〜2019年)における食品関連の特許出願は、年平均4,200件程度出願されている。このうちビビンバ、お粥、サムゲタン、ソースなどの料理レシピに関連する特許出願が24.8%程度を占めており、毎年1,000件程度である。

また、登録された特許は、2016年287件、2017年396件、2018年394件、2019年237件、2020年9月で、136件と把握される。

どのようなレシピが登録されたかを見てみると、従来とは違う料理として特許登録された代表的な事例が、パンの代わりにご飯を利用したキムチライスバーガーの製造方法であった。

さらに、既存に知られている食品であってもレシピの独創性が認められて登録された事例もある。色が変わらないように調理した高麗アザミのカップご飯、黒米を入れて歯ごたえもよく、栄養効果も高めた黒米ピザ生地、時間が経っても固まらない餅のレシピなどがある。

レシピに関する出願人の類型を見てみると、日常生活でなじみのあるテーマであるため、個人出願が60.5%で最も高く、その次に中小企業が25.9%、大学や公共機関が9.8%の順であった。

一方、出願件数が多い出願人を見ると、1位を除いて2位が農村振興庁、3位は韓国食品研究院、4位がCJ第一製糖であった。個人出願では一人当たりの出願件数が多くないためであると分析される。また、日常生活に重要な食べ物に関わる出願であるため、政府および大手企業も特許出願に関する関心が高いということが明らかになっている。

特許庁の食品生物資源審査課長は「独創的な料理のレシピであれば、いくらでも特許登録が可能であり、法律の保護を受けることができる」とし、「特許出願をする前に番組やブログなどで公開されたとしても1年以内に「公知例外主張出願(※)」をした場合、本人が公開した内容で拒絶されないため、それを活用すれば良い」と述べた。

※公知例外主張出願:発明者が発明の内容を公開して1年以内に出願した場合、公知の内容で拒絶されない制度

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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