知的財産ニュース 特許庁、特別司法警察の発足から10年、知的財産を守る

2020年9月15日
出所: 韓国特許庁

約4万5,000件の事件を処理、3,500人の刑事立件、約1,200万件の取り締まり

知的財産を守る番人に位置づけ

2019年3月に特別司法警察の職務範囲が商標から特許、営業秘密、デザイン侵害事件にまで拡大



[特許庁特別司法警察の取り締まり実績(2011~2020年8月)] 特許庁特別司法警察の取り締まり実績(2011~2020年8月)

韓国特許庁の産業財産特別司法警察(以下、特司警)は、2020年で発足10年を迎えた。

特許庁の特司警は2010年9月、大田・ソウル・釜山に3つの地域事務所を設置し、韓国最初の模倣品専門捜査機関として発足した。2019年3月には、職務範囲が既存の商標から特許、営業秘密、デザイン侵害の捜査まで拡大され、現在は35人の捜査官が全国で発生する知的財産権の侵害事件に積極的に対応している。

ここ10年間発生した事件の4万5,000件を処理する過程で、商標権の侵害事犯3,500人を刑事立件、模倣品1,200万件(正規品価額約5,000億ウォン)を押収し、名実共に知的財産の番人として位置づけられた。取り締まりにより押収された物品を正規品価格順に羅列すると、バッグ類(1,550億ウォン、31%)、自動車部品類(657億ウォン、13%)、衣類(587億ウォン、12%)、装身具類(453億ウォン、9%)の順であった。

特許庁の特司警は、大規模な偽造品の流通事件にも積極的に対応してきたが、偽造健康食品の流通業者(2015年5月、正規品の市価652億ウォンに相当)、偽造自動車ホイールの流通・販売業者(2017年6月、正規品の市価225億ウォンに相当)、大規模な偽造マスクパック商品の製造・流通業者(2019年7月、正規品の市価200億ウォンに相当)などに対する取り締まりを実施した。

このように国民の健康・安全にかかわる品目の他に、最近では、K-POPコンテンツまで取り締まりの領域を拡大している。2019年には、韓国の韓流を代表する防弾少年団(BTS)関連の模倣品を取り締まるなど、世界中にK-POP知的財産保護の重要性を知らせた。

最近では非対面産業の成長により、オンライン消費が急増し、模倣品もオンラインを中心に取引量が増えている。このような流れに沿って、特許庁の特司警はオンラインでの模倣品取引に捜査力を集中しており、先日、SNSライブ放送を利用して正規品の市価が625億ウォンに相当する偽ブランド品を取引した一家を検挙した。

2019年3月からは、特許・営業秘密・デザイン侵害事件も活発に捜査している。このため、技術的な専門知識を備えた捜査官を投入することで、迅速かつ正確な侵害判断が可能になり、その結果、1年6ヵ月の間(2019年3月~2020年8月)276件の技術事件を処理し、侵害事犯438人に対して刑事立件の措置を取るなど、著しい成果を出した。

特許庁の産業財産調査課長は、「これまで特許庁の特司警は模倣品の取り締まりに集中し、権利者と消費者の被害防止のために取り組んできた」とし、「今後も捜査力を高め、組織と人材を拡大して知的財産侵害の根絶および保護の強化においても先頭に立つように努力する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195