知的財産ニュース 韓国型ウォークスルー(K-ウォークスルー)における第1号の特許登録

2020年8月25日
出所: 韓国特許庁

K-防疫技術の保護と安定供給の基盤をつくる

K-防疫の代表格である「韓国型ウォークスルー(K-ウォークスルー)」の技術に対する第1号の特許が登録された。

韓国特許庁は、ヤンジ病院の院長が2020年5月に出願した韓国型選別診療所技術に対する特許を8月24日に登録決定したと発表した。

今回のK-ウォークスルーの第1号特許は、新型コロナウイルスの状況に効率よく対応するための現場のアイデアが初めて権利化されたことで有意義である。

ウォークスルーは、建物の外部に設置されたスペースを、患者が歩いて通過し、その際に検体を採取する診断方法であり、2020年2月に韓国で最初に公開されて以来、世界から多くの関心を受けている。

これは、新型コロナウイルスの拡散による医療スタッフの感染を防ぎ、検査待機時間を減らすためのアイデアが選別診療所に実際に適用された事例であり、ウォークスルーの開発企業が増えるとともにウォークスルー技術の特許出願も持続的に増加している。

※ウォークスルー特許の出願件数(累積):9件(2020年3月)→41件(2020年8月)

これまで開発された、さまざまなウォークスルー技術が今回に特許として登録され、新型コロナウイルスという全世界的な危機状況のなかで開発されたK-防疫技術がまともに保護されて安定的に供給される基盤が整えられた。

K-ウォークスルーの第1号特許における主要な技術特徴は、検体採取用グローブの上に特殊設計された使い捨てのグローブを装着し、被験者が変わると簡単に変えることができ、被験者間の感染リスクを軽減することである。

今回の登録特許は、優先審査(1)、予備審査(2)、3人合議体による協議審査(3)を通じて、特許出願後約3ヵ月で速やかに審査手続きが完了された。

(1)優先審査制度:一定の要件を備えた出願に対し、出願人の申請がある場合に他の出願より優先的に審査する制度 (2)予備審査制度:審査着手前に、出願人など、審査官が対面面談を通じて審査意見を交換し、正確な審査および速やかな権利化を図るための制度

(3)3人合議体による協議審査制度:審査の正確性および一貫性を高めるために、特許審査の初期段階から3人の審査官が意見を集めて、3人の審査官名義で審査する制度

登録されたK-ウォークスルーの特許技術は、韓国特許英文抄録化事業(KPA、Korean patent abstracts)を通じて、日本、米国、中国、メキシコなど、世界61ヵ国に公開される。それにより、K-防疫の優秀性を広く知らせ、韓国企業がコロナ時代に創出したイノベーション技術を世界中に伝播することができると期待される。

特許庁は、4月から先制的な新型コロナウイルスへの対応のために韓国型ウォークスルー開発企業と業務協約を締結し、K-ウォークスルー共同ブランド化作業などを推進しつつ、人類の健康と安全に関連するウォークスルー技術が世界中の公益のために活用できるシステムを作るために努力してきた。

特許庁のバイオヘルスケア審査課長は、「クリエイティブなK-ウォークスルー発明が特許として保護されるようにし、開発者の創作意欲を掻き立て、特許明細書による正確な技術公開で全世界の医療スタッフと知識を共有できると期待している」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195