知的財産ニュース 特許庁の特別司法警察、SNSライブ放送を利用して模倣品を流通した一家4人を検挙

2020年8月13日
出所: 韓国特許庁

正規品の市場価格で625億ウォンに相当する偽物ブランド品、約2万6,000点余りを流通した疑い

最近インスタグラムなどのSNSを利用した新種の模倣品流通事例が急増

韓国特許庁の産業財産特別司法警察(以下、「特司警」)は、インスタグラムなどSNSのライブ放送を通じて模倣品を広報し販売した一家4人を商標法違反の疑いで摘発して検察に送致したと8月13日に発表した。

主犯のAさん(34歳、女性)と共犯のBさん(38歳、女性、Aさんの姉)を拘束し、共犯のCさん(35歳、男性、Aさんの夫)と共犯のDさん(26歳、女性、Aさんの妹)を在宅起訴の意見で検察に送致した。

彼らは2018年6月から2019年11月まで偽装した家の秘密作業場で配送作業を行い、シャネルバッグなど海外ブランド品の模倣品、約2万6,000点(正規品の市場価格で625億ウォン相当)をSNSチャネルで販売した疑いがある。

特司警は、最近急増傾向を見せているSNSなどでの模倣品に対するオンライン流通事例に注目し、捜査力を集中させ、約1年8ヵ月の長期にわたる追跡・監視を行って被疑者および秘密作業場の家宅捜索を実施し、一家の犯行を突き止めた。

特司警は、彼らが現場に保管していたシャネルバッグなどの模倣品1,111点(正規品の市場価格約24億ウォン相当)を押収し、模倣品約2万6,000点(正規品の市場価格約625億ウォン相当)の販売内訳も確保した。

主犯のAさんは、秘密保持が容易で内部告発者および離脱する職員の発生可能性が低い家族(夫・姉・妹)と犯罪を共謀した。また、閉鎖的な流通構造を持つインスタグラムなどのSNSチャンネルを利用し、捜査機関のアクセスおよび嫌疑の立証を困難にさせるなど、巧妙な犯罪を行ってきたことが明らかになった。

一方、蔚山地方検察庁は、主犯のAさんと共犯のBを拘束起訴して8月14日に初公判を控えており、特司警はこれとは別に追加の共犯に関連する後続捜査を進める予定である。

[模倣品におけるオンライン流通の傾向] 模倣品におけるオンライン流通の傾向

特許庁の産業財産保護協力局長は、「一家がSNSを利用して、模倣品を流通した新種事件であり、商標法を違反した単一の事件としてはめずらしく、拘束および大規模な家宅捜索が行われたことが特徴である」と述べた。

また、「SNSを利用した模倣品の流通業者がさらに存在していると判断しており、商標権者と消費者の権益を保護するために模倣品の取り締まりを、より強化していく方針である」と強調した。

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